2015年9月21日月曜日

銘柄を明かさない理由39

登場人物紹介
・先輩:Yの取引口座があるA証券の長期運用部門を担当する天才女性トレーダー
・後輩:先輩の後輩
・A:A証券に取引口座を持つ、若くして頭脳派の無敗の個人投資家
・J:A証券に取引口座を持つが、自身の口座では取引きしない無敗の個人投資家
・先生:「売り」「買い」のどちらもとれる大物相場師
・Y:運用額は小額ながら、無敗の個人投資家、当プログの管理人

私はバツイチで、受験生の娘がいます。
元夫は10年前に女を作って、家から出て行きました。
私にも至らない点は、あったのかもしれません。
だからといって、女を作って家を出て行った元夫は最低です。

元夫が出て行ってからは、母娘の2人で生きてきました。
最初はどうなるのかなと思いましたが、今は娘の学費も確保できています。
私には、J君という株式投資の先生がいます。
J君の教えに従って、この10年近く、株式投資で大きく資産を増やすことができました。

10年前の同窓会で、元夫が女を作って、家を出て行ったことを面白おかしく話しました。
私としては、自信満々の自虐ネタで話したつもりです。
皆が笑う中、J君だけは笑ってはいませんでした。
顔は笑ってはいましたが、目が笑ってはいなかったのです。

同窓会の数日後、知らないアドレスからメールが届きました。
「絶対に損はさせない。今ある株は全て売って、次に指示する株を買え」という内容でした。
私は、すぐにJ君からのメールだと思いました。
元夫が買った株の処分に困っていることは、同窓会でしか話していなかったからです。

迷った末に、私はJ君のアドバイスに従うことにしました。
J君のアドバイスは、いつも恐ろしいくらいに的を得ており、資産はみるみる増えました。
先日の同窓会で、J君に「ひょっとしてメールでのアドバイス、J君?」と聞いてみました。
「とんでもない、株なんて怖くて一度も触ったことないよ」と、J君は答えました。

私は資産を増やしてくれたJ君に、心から感謝しています。
でも、10年前の同窓会で笑わずに見つめられたときのことは、今も鮮明に覚えています。
あの目は怖かったです、感情の一切ない、心の中まで見透かされるような目でした。
中学時代のJ君はクラスの人気者でした、卒業後のJ君に一体、何があったのでしょうか。