2016年5月5日木曜日

高齢無職世帯の貯蓄が多い理由

総務省の平成26年「家計調査報告(貯蓄・負債編)」がある。
高齢無職世帯の1世帯当たり貯蓄現在高は、2372万円である。
前年に比べ9万円、0.4%の増加である。
ちなみに高齢無職世帯とは、世帯主が60歳以上で無職の世帯であるw

なぜ、彼らの平均貯蓄額は、2000万円を超えているのか。
答えは簡単で、単に運がよかっただけなのである。
彼らが働き盛りだった20~30年前、3年以上の定額貯金の金利は、5%前後だった。
1990年秋ごろの3年以上の定額貯金の金利は、驚くべきことに6%越えであるw

仮に金利5%だとすると、100万円を10年間で162万円(税引前)に増やすことができた。
つまり、彼らにとって、資産運用は定額貯金するだけでよかったのである。
じゃあ、彼らの老後は安泰かというと、安泰ではない。
高齢無職世帯の貯蓄の内、最も多いのは預貯金で、1549万円であるw

当たり前だが、今の低金利、預貯金では増やせない。
貯蓄の大半が預貯金であることからわかるように、株式投資で資産を増やすこともできない。
彼らは、これから年金だけでは足りない分を、預貯金から取り崩さなくてはならない。
寿命と預貯金、どちらが尽きるのが早いか、怯えながら暮らさなくてはならないのであるw