2016年6月30日木曜日

無限ナンピン完了と配当

今朝、10,000株の買い注文を指値で発注した。
後場で全数約定、合計20,000株を保有する株主になった。
今回、買い増しした銘柄は明かさない。
なぜなら、初心者にとっては危険な株、仕手株だからであるw

仕手株は値動きが激しい。
事実、昨年夏の株価と比べると、すでに半値である。
値動きが激しい仕手株を攻略するには、無限ナンピンが最も有効だ。
半値になる度、同数の株を買い続けるのであるw

同数の株を買った時点で、評価損益率はマイナス50%からマイナス25%となる。
一気にプラス圏を引き寄せることができるのである。
今日は娘が夕食を作ってくれていた。
娘の作ってくれたおかずを肴に、祝杯を挙げるとしようw

帰宅すると、保有株の配当が届いていた。
合計すると、来月の生活費をまかなえるだけの額になる。
今月の給与も、全て貯蓄に回せそうである。
もちろん、ある程度、貯蓄できたら、保有株を買い増しする予定だw

2016年6月29日水曜日

銘柄を明かさない理由R96 西の男と東の女

第96話 西の男と東の女

難波の女帝との仕手戦が終わったある日。
無敗のクイーンはコンビニへ向かっていた。
通りの向こうから、派手な身なりの男が両脇に男を従え歩いてきた。
奴は淀屋、なぜ奴がここにいる。

「久しぶりだな」、無敗のクイーンは淀屋に声をかけた。
両脇の男が、淀屋の前にさりげなく回りこむ。
淀屋がにこりともせずいう、「はて、どちらさんでっか」
「前に会っただろう」、無敗のクイーンがいう。

「記憶にありまへんな、人違いでっしゃろ、会合があるよって、ほな」、淀屋がいう。
「きさま、何があった、バカにしているのか」、無敗のクイーンがいう。
「何もバカになんかしてまへん、記憶にないだけですわ」、淀屋は立ち去ろうとした。
「それ以上、いいかがりをつけると、タダじゃすみませんよ」、ボディガードの男がいう。

「面白い、やれるものならやってみろ」、無敗のクイーンがいう。
「リーダー」、声がした方を見ると、無敗の天然ことテンが駆け寄ってくるところだった。
「今日はお弁当がないので、一緒にコンビニにいこうと思ってたのに。
置いていくなんて、ひどいじゃないですか」、テンは怒っていた。

テンは淀屋に気づいた。
「あ~っ、淀屋さんじゃないですか」
「ど、どちらさんでっか」、淀屋が動揺しながらいう。
「何いってるんですか、私ですよ、私、モップちゃんですよ」、テンが淀屋に近づきいう。

「し、知らんな」、淀屋がいう。
「昨日も電話で話したじゃないですか、ひ、ひどい」、テンの目がうるうるしだした。
やばい、無敗のクイーンは止めようとしたが遅かった。
テンは子どものように声をあげて泣き出した。

ボディガードたちは困惑しながら、淀屋とテンを交互にみている。
道行く人も何事かと、2人を見ながら通り過ぎていく。
「ごめんごめん、冗談や冗談、モップちゃんのこと忘れるわけあらへん」
淀屋が頭をかきながらいった。

淀屋の声を聞いたテンは、ぴたりと泣き止んだ。
「本当に覚えてます」、テンが淀屋に聞く。
「当たり前や、ワテはモップちゃんのこと忘れたことおまへん」、淀屋がいう。
この2人、付き合っていたのか、無敗のクイーンと淀屋のボディガードは呆気にとられた。

明日の予告も教えてやる

勘違いするな、買い注文を出さなかったわけじゃない。
今朝、10,000株の買い注文を指値で出した。
ところが指値が1円、足りなかったので、買えなかっただけだ。
何がしたいかって?自身にもよくわからないw

明日の予告も教えてやる。
ターゲットは今日、買い増ししようとした大手優良企業の株だ。
株価が下がり続けていたのに、買おうとすると騰がるふざけた株だ。
こんなふざけた株は、明日こそ無限ナンピンで買い増しだw

買い増したあと、自身がきっちり議決権を行使してやる。
えっ、お前はそれでもソウバシかって?
ソウバシだが、一人前のソウバシではない。
なぜなら、見習いだからだw

2016年6月28日火曜日

明日の予告を教えてやる

勘違いするな、自身は自身の為にやっているわけじゃない。
昨年、夏からこの企業の株価は下がり続け、今や半値。
日経平均が騰がっても下がり続ける、ふざけた株だ。
何がしたいかって?まあ黙って見てろよ。

明日の予告を教えてやる。
ターゲットは誰もが知っている大手優良企業だ。
だが株価が下がり続ける中、何ら対策を講じなかったふざけた企業だ。
こんなふざけた企業の株は、無限ナンピンで買い増しだ。

買い増したあと、自身がきっちり議決権を行使してやる。
えっ、お前はシンブンシかって?
シンブンシと似ているが、シンブンシではない。
ソウバシ、しかも見習いだw

2016年6月27日月曜日

買いの実弾装填完了

本日、買い増し用の資金を取引口座に移動した。
買い増しする銘柄名は明かさないが、聞けば誰もが知っている大手優良企業の株だ。
本日、予想に反して、日経平均株価は騰がった
だが、自身が買い増し予定の株は順調に下がっているw

自身は、現在の保有株数と同数の10,000株を買い増しする予定だ。
実に数年ぶりとなる資金投入で、買い増しにより平均取得価格を大幅に下げる。
自身はこの株で、長期にわたって、多額の利益をたたき出す所存である。
配当利回りは預金金利をはるかに上回っているので、購入するだけでプラスだw

巨額の資金を運用する凄腕とされるファンドマネージャーたちがいる。
だっけど♪だっけっど♪自身の方が凄いw
彼らは運用額が巨額のため、これから損切りせざるを得ない。
自身は彼らが泣く泣く手放す株を、超割安で手に入れるからであるw

2016年6月26日日曜日

偉大なる相場師に学ぶ ジョン・テンプルトン

誰でも「相場師」になることはできる。
「相場師」として成功するためには、学ばなければいけない。
学ばずに相場を張っても、失敗することは歴史が証明している。
幸いにも偉大なる相場師達は、我々に数多くの教訓を残してくれている。

米国にジョン・テンプルトンという相場師がいた。
オックスフォード大学で法律の学位を取得、証券会社に勤務する。
後に投資顧問業を開始、その後、自らファンドを設立し大きな財を成した。
彼はウォール街の伝説的なファンドマネージャーとなり、テンプルトン財団を設立する。

彼の10の投資理念は以下である。
「実利を目指して投資する」
「偏見を持たない」
「大衆の深追いをしない」
「マーケットは常に変化する」
「人気株を避ける」
「過去の誤りに学ぶ」
「悲観で買い楽観で売る」
「価値ある掘り出し物を見つけ出す」
「世界中を探す」
「すべてを知ることはできない」

また彼は以下の言葉も残している。
「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」
悲観相場では、誰もが終わりの始まりだと考える。
だが、悲観相場こそが上昇相場の始まりであることを、この言葉は教えてくれている。

先週の相場と今後の相場

先週金曜日、英国のEU離脱が決定、日経平均株価は大きく下落した。
だが大勢が判明したのが後場であったことから、国内相場は限定的な下落に留まった。
2月8日~12日の週は、大半の株が年初来安値になっていた。
ところが、6月20日~24日の週に、年初来安値となった株は7割ほどであるw

つまり、2月12日の下落に比べると、6月24日は限定的な下落だったのである。
だが、自身のように元本を引き上げていない投資家の多くは含み損となった。
月曜日、相場はどのような動きをするか。
おそらく、リスクオフの思惑から、朝から売りが優勢になるだろうと見ているw

月曜日の相場を見て、恐怖にかられた投資家たちは火曜日に手仕舞いするはずだ。
今回の相場は、東日本大震災の相場と状況が似ている。
東日本大震災も金曜日に発生した。
ところが真のセリングクライマックスは、翌週の火曜日だったのであるw

上記は個人の見解です。
くれぐれも投資判断は自己責任でお願いしますw

銘柄を明かさない理由R95 魔弾の射手(後編)

第95話 魔弾の射手(後編)

翌日も同じだった。
前日終値を割り込んでスタートする。
ところが、取引時間終了間際になると、閃光の買いが入った。
その日の取引終値も前日比プラスとなった。

大阪難波
取引終値を見た難波の女帝は内線をかけると怒鳴りつけた。
「ふざけたことするのは誰かわかったか、なに、まだ見つけてへんのか。
はよ、見つけんか、今すぐや、今すぐ見つけるんや」

最初に前日比プラスとなってから、その株は10営業日連続で騰がり続けた。
「いよいよ反転か」、「早く参戦しないと乗り遅れる」
その株は記録的な出来高を伴いながら、騰がり続けた。
俗にいわれる、「提灯がついた」状態である。

首都高のインターを降り、走行する車の中。
「明日の買いはどうなされますか」、助手席の男性秘書が聞く。
「これ以上、弾を撃つ必要はない、あとは他のものが撃ってくれる。
女狐は撃たれまくって、瀕死の状態かもしれんな」、巨躯の男は冷酷な笑みを浮かべた。

大阪難波
難波の女帝は、内線に怒鳴りつけていた。
「ふざけたことした奴は、まだ見つからんのか、はよ見つけんか。
明日も売りや、こうなったらとことん売るんや」、難波の女帝は内線を叩きつけた。

「止めときなはれ」、声がした方を見ると、そこにはイケメンの芸人に似た分家の男がいた。
「分家のあんたかいな、勝手に部屋に入ってきて、何の用や」、難波の女帝がいう。
「今や買い方優勢や、誰が見ても勝敗は明らかや」、分家の男がいう。
「そんなことあらへん、一族は売り方のはずや」、難波の女帝がいう。

「一族が一致団結して売ってたら、ここまで株価は騰がりまへん」、分家の男はいった。
「ウチは・・・負けたんか」、難波の女帝がうなだれていう。
分家の男はいった。
「ご先祖様は幕府に財産没収されても再興しましたやん、最後の最後は淀屋が勝ちます」

部屋を出たイケメンの芸人に似た男は思った。
幕府に財産没収されたのが初代の本家、再興したのは二代目本家、すなわち元分家や。
今や全国の分家は初代本家が掌握しとる、難波の女帝たち二代目の時代は終わりや。
これからは初代本家の時代や、淀屋初代本家13代目当主の男は不敵な笑みを浮かべた。

2016年6月25日土曜日

年下女性に好意をもたれたら

自身は大学生の娘がいるオジサンである。
10人に聞けば、9人がオジサン、あと1人はオジサンだと思うと答えるだろう。
最近、知り会った年下の独身女性がいる。
この女性が、自身に好意をもっているとしか思えない言動をするw

最初は、気のせいだと思っていた。
だが、いくら鈍感な自身でも、好意をもたれているかいないかはわかる。
しかし年下の独身というだけで、自身のストライクゾーンからは外れている。
あえていうなら、自身のストライクゾーンは同年代の女性であるw

自身は昔から、オジサンは若い独身女性とつきあうべきではないと思っている。
なぜなら、若い独身女性には若い独身男性がふさわしいからである。
これから会うときは、好意をもたれないようにしようと思う。
会うときは地味な服で、食事するならファミレス、支払いは1円単位のワリカンであるw

銘柄を明かさない理由R94 魔弾の射手(中編)

第94話 魔弾の射手(中編)

その日、下がり続けていた株に、いくつかの新しい買いが入った。
最初に約定したのは、ある調査会社に勤務する男の買い注文だった。
指値での買い注文は、指値になった時点で全て約定した。
約定した株数は、その日の出来高からすると微々たるもので、株価は下がり続けた。

後場になり、ある買い注文が約定した。
天使の笑顔をもつ男の買い注文だった。
個人投資家としては比較的、多い株数が約定した。
だが約定後も、売り圧力が優勢の中、株価は下がり続けた。

取引終了時間までわずかとなったとき、まとまった大きな買いが入った。
ある証券会社の資産運用部署アルカディアの買い注文だった。
株価は前日比プラスとなったが、売り圧力の前に前日の取引終値を割り込んだ。
誰もが思った、今日も前日比マイナスだと。

取引時間終了間際、閃光の買いが入った。
終値を見て誰もが目を疑った、その株の取引終値は前日比プラスとなっていた。
それは、ある証券会社の会長である巨躯の男の買いによるものだった。
巨躯の男は取引時間終了に合わせて、大量の大引け成行買いを入れていたのである。

大阪難波
取引終値を見た難波の女帝は愕然とした。
なんや、これは、いったい誰が、こんなことしたんや。
あれだけの売り注文を買いあがることはできへんはずや、誰や、誰の仕業や。

難波の女帝は、卓上の内線に手を伸ばした。
内線に出た相手に、難波の女帝は怒鳴るようにいった。
「ええか、今日、ふざけたことした奴を何としてでも探しだすんやで。
それと明日の売り注文は今日の倍や、ええか倍やで、わかったら返事せんか」

首都高を走行する車の中、助手席の男性秘書はノートPCを見ていた。
「本日の取引終値は、前日比プラスとなりました」、男性秘書がいう。
「たわいもない、明日の買いは今日の倍だ」、後部座席の巨躯の男がいう。
「かしこまりました」、男性秘書がいった。

昔から少しも変わっておらんな、相変わらず派手好きな女狐だ。
最初から手の内を見せてどうする。
仕手戦を仕掛けるなら、目立たぬようにすることだ。
巨躯の男は車窓の風景を眺めながら、笑みを浮かべた。

攻撃は最大の防御なり

英国のEU離脱で、チキンの外国人投資家たちは損失を確定中だ。
チキンの外国人投資家たちには、キチンと手仕舞いして欲しいものである。
株式投資を始めてから思うことがある。
攻撃は最大の防御だとw

下落相場での個人投資家は3タイプに分かれる。
多い順にいうと、何もしない塩漬けの個人投資家。
損切りで損失を確定する個人投資家。
最も少ないのが攻撃、すなわち下落相場に買い向かう個人投資家であるw

下落相場に買い向かう個人投資家は少ない。
おそらくだが、全個人投資家の数%といったところだろう。
彼らには特別な才能がある訳ではない。
もちろん、強運の持ち主でもないw

彼らは感情的になることなく、理性をコントロールできる。
理性をコントロールというよりは、子どものような純真な心の持ち主なのかもしれない。
彼らの思考はシンプルだ、「安いときに買って、高いときに売る」だ。
彼らは、そのためなら、いつまでも待ち続けることができるのであるw

2016年6月24日金曜日

銘柄を明かさない理由R93 魔弾の射手(前編)

「魔弾の射手」とはドイツの民間伝説に登場する意のままに命中する弾を持つ射撃手である。
この伝説では、7発中6発は射手の望むところに命中、残り1発は悪魔の望む箇所へ命中する。

第93話 魔弾の射手(前編)

調査会社に勤務する男は、また相場師たちの夢を見た。
だが前の夢より部屋は明るく、男たちの顔ははっきり見えた。
「そろそろ買いですな」、本間がいう。
「誰が見ても買いだろう」、福澤がいう。

「慌てず、ゆっくりいくことだ」、本多がいう。
「今が買い時や、いてもうたれ」、是川がいう。
男は目覚めると苦笑しながら思った、わかってますよと。
男はシャワーを浴び着替えると、買い注文を入れるべくPCを起動させた。

天使の笑顔をもつ男は、PCを起動した。
「何しているの」、彼女がベッドから眠そうな声で聞いてきた。
「これから株を買うんだ、寝てていいよ」、天使の笑顔をもつ男はいった。
「わかった、眠いんで寝る」、彼女はすぐに寝息を立て始めた。

頭と尻尾はくれてやれだ。
初めての仕手戦だが、必ず勝ってやる。
自分は世界で最も偉い、自分に勝てる奴などいやしない。
天使の笑顔をもつ男から、笑みが消えた。

早朝のアルカディアで、無敗のクイーンはシステムを起動し、あることを確認していた。
ついに来たか、それはある無敗の個人投資家の買い注文だった。
通勤中のアルカディアメンバーに向けて、社長室秘書から召集メールが発信された。
「始業前にアルカディアへお集まりください」

始業時間になり、アルカディアでは朝のミーティングが行われていた。
無敗のクイーンがメンバーにいう。
「お前たちは選ばれし者だ、自分たちが社内、業界、いや世界で一番、偉いと思え。
お前たちに勝てる奴など、この世に存在しない、必ず目標を達成しろ」

証券会社の会長である巨躯の男の気分は高揚していた。
久々の相場だ、何もかもが懐かしい。
このような機会を与えてくれた女狐には礼をせねばなるまい。
巨躯の男は男性秘書に、買い注文の内容を伝えた。

男性秘書が答える、「これだけの買い注文でよろしいのですか」
巨躯の男がいう、「今回は初弾だ、次弾は改めて指示する」
会長が動かせる資金は莫大な額だ。
この勝負、難波の女帝に勝ち目はないな、男性秘書は思った。

待望のセリングクライマックス

給与振込み日だったので、給与振込口座から貯蓄用の口座へ資金移動した。
帰宅すると、証券口座のCSVをダウンロード、総資産を確認した。
昨年末の貯蓄額と現在の貯蓄額を比較すると、ほとんど同額だった。
なぜ、同額なんだ、半年間で貯蓄ゼロ円なのかと思ったw

すぐに思い出した。
娘の大学の前期の学費を支払っていたことを。
半年間の貯蓄額は、大学の前期の学費分だったのである。
しかも賞与支給前なので、月々の給与から学費を貯めたことになるw

大学の学費は支払ったので、同額が余剰資金である。
英国のEU離脱が決まり、待望のセリングクライマックスが来た。
自身は、来週の火曜の相場の状態を見て、水曜に参戦するか決める予定だった。
水曜に今回の分と他を合わせた余剰資金を投入、万株単位の買い増しをする予定だw

2016年6月22日水曜日

銘柄を明かさない理由R92 天使の見る夢

第92話 天使の見る夢

「おにいたん、だ~れだ」
食事中に、いきなり後ろから目をふさがれた。
おにいたんっていえるのは、1人しかいない。
「だれだろ、あの人かな、それともあの人かな」

目を押さえる手には、外れないように力を込めているのがわかる。
「まいった、こうさん、どちらさんですか」
手が離れ、妹が横に回り込んできていった、「おにいたんのいもうとで~す」
「早くごはん食べなさい、冷めちゃうわよ」、母親が笑いながらいう。

試験の過去問を解いているとき、部屋のドアがノックされた。
どうぞというと、ドアを開けて制服姿の妹が入ってきた。
「おめでとうございます、お兄様」、妹がにんまりとした笑顔でいう。
「な、何が、おめでとうなんだ」、たじろぐ兄に妹がいう。

「お兄様は、明日の私の買い物パートナーに選ばれました~。
明日、9時に出発です~でわでわ~」
「おい、ちょっと待て、聞いてないぞ、明日は急すぎ・・・」
兄が言い終わる前に、妹は部屋から出て行った。

翌日、兄は大量の買い物袋を持たされていた。
「まだ終わらないのか」、ぐったりした兄が妹にいう。
「どちらが似合うと思う」、妹が服を手に取り、兄に聞く。
「どちらも似合う、頼む、頼むから早くしてくれ」、兄は懇願するようにいった。

昼下がりのカフェ。
美男美女の兄妹に、周囲の視線が集まっていた。
「周りの人は絶対、カップルだと思ってるよね」、ドリンクを飲みながら妹がいう。
「くだらないこといってないで、さっさと飲め、帰るぞ」、兄はいった。

兄は大学に合格して、都内で1人暮らしを始めた。
ある日、親戚から電話がかかってきた。
実家が火事だ、家族とは連絡がついていない、すぐに帰ってくるように。
すぐに帰ったが、家族は無事ではなかった。

寝室のベッドの中、彼女は天使の笑顔をもつ男の寝顔をみていた。
また寝ながら涙を流している、どんな夢を見ているの。
夢のことを聞いても、何も話してくれない、いったい、どんな夢を見ているの。
薄暗い部屋の中、彼女は天使の笑顔をもつ男の寝顔を見続けていた。

参戦は水曜日

自身は預言者ではない。
だが自身には相場が見える。
これからの相場について書いてみる。
もちろん、あくまでも現時点での見解であり、明日になれば変わっているかもしれないw

明後日、英国のEU離脱を問う国民投票の大勢が判明する。
どのような結果になっても、チキンの外国人投資家たちは反応する。
買いか売りか、大きく相場が動くのは間違いないとみている。
だが気をつけなくてはいけないことがあるw

何か大事があったとき、相場は翌々日に大きく反応する。
なぜなら、翌日は多くの者が様子を見て、翌々日に動くからである。
今回のスケジュールでいくと、来週月曜は様子見だ。
月曜の相場をみて、火曜に多くの者が動くはずだw

自身は火曜の相場を見てから、どう動くか判断する。
火曜の相場をみて買いだと思えば、水曜に参戦する予定だ。
士気を高めるため、お気に入りの曲を聴くことにする。
「銘柄を明かさない理由」のアルカディアメンバーのモデルとなったグループの曲だw

2016年6月21日火曜日

銘柄を明かさない理由R91 魔王と天使(後編)

第91話 魔王と天使(後編)

車に乗り込むと、巨躯の男は社長に電話した。
電話に出た社長に巨躯の男はいった。
「難波の女帝という相場師が、うちの女性社員に関心があるようだ、詳細を報告しろ」
「承知しました」、社長はいった。

ほどなくして、社長から会長へ電話があった。
社長は、難波の女帝の標的がアルカディアのメイン株の1つであること。
アルカディアは今は静観している状態であること、最後に標的の銘柄名を伝えた。
「わかった、ご苦労だった」、会長は通話を終えた。

面白い、何度となく手がけた株だ、あの女狐め、この株に手を出したことを後悔させてやる。
巨躯の男は冷酷な笑みを浮かべた。
運転手はルームミラーに映る巨躯の男の冷酷な笑みを見て思った。
あのような笑い方をする人間は初めて見た、まるで魔王のようだ。

助手席には、巨躯の男の男性秘書が乗っていた。
「すぐ使える資金を教えろ」、巨躯の男が男性秘書に命じる。
「かしこまりました」、男性秘書は慣れた手つきでノートPCを開いた。
何か始まるのか、運転手は背中に冷たい汗が流れるのを感じていた。

都内某所のマンション。
天使の笑顔をもつ男は、ある株の異常な値動きに気づいた。
この異常な値動きはなんだ、相場に関係なく下がり続けている。
天使の笑顔をもつ男は、定食屋で男から聞いた話を思い出した。

「仕手株って知っているかい。
意図的に株価操作される株のことだよ。
面白いことに仕手株になる株は決まっている、例えば、こういう銘柄だ」
男はいくつかの銘柄をあげた。

「仕手株は上手く売り買いすれば、大きく儲けることができる株だ。
他の連中より、一歩先をいけばいいだけのことだ。
一歩先をいくには、頭と尻尾はくれてやれで売り買いすればいい」
異常な値動きをしている株は、男が教えてくれた仕手株の1つだった。

買いなのは間違いないが、問題はいつ買うかだ、天使の笑顔をもつ男は思案した。
「また株見てるの、先に寝るね」、泊まりにきている彼女はいい寝室へ向かった。
「すぐにいくよ」と答えたとき、「頭と尻尾はくれてやれ」と再び男の声が聞こえた。
あの助言は、迷うなという意味だったのか、天使の笑顔をもつ男はようやく理解した。

課税証明書に思うこと

自身は、毎年、この時期になると課税証明書を取っている。
正式名は「特別区民税・都民税 課税証明書」で、役所で有償で発行してもらえる。
先日、平成28年度の課税証明書を取ってきた。
平成28年度には、平成27年の所得金額と税額が記載されているw

もちろん、株式投資の所得金額や税額は記載されてなく、給与分のみである。
平成25年度の課税証明書と比較してみた。
増えてはいたが、あまりの少なさに笑ってしまった。
3年間で増えた額は、1年間に株で得る配当金に満たないのであるw

自身は高給取りではないが、同年代の平均額は貰っており評価も平均以上である。
もちろん3年間の昇給額は、預金した場合の利息をはるかに上回っている。
ところが3年間の昇給額は、1年の配当金に満たないのである。
株式投資をしていてよかったと、改めて実感した次第であるw

2016年6月20日月曜日

銘柄を明かさない理由R90 魔王と天使(前編)

第90話 魔王と天使(前編)

証券会社の会長である巨躯の男は、都内の一流ホテルである会合に出席していた。
くだらん会合だ、今やサラリーマン社長しかいない。
サラリーマン社長ばかりだから、外国人投資家どもに好き放題されるのだ。
保身にしか関心のないサラリーマン社長ばかりでは、証券業界の未来も危ういな。

会合が終わり、ロビーで巨躯の男が秘書に車を回すよう命じたときだった。
「あら、久しぶりですやん、どこかで見た顔やと思えば、あんたかいな」
巨躯の男が見ると、そこには和服姿の1人の女がいた。
「これはこれは難波の女帝どの、久しぶりですな」、巨躯の男はいった。

「ほんまやわ、元気してたんかいな」、難波の女帝がいう。
「最後の相場師の葬儀の席以来ですな」、巨躯の男はいった。
「そうやね、こないだのことのように思えるわ」、難波の女帝がいう。
数多くの仕手戦を仕掛けてきた難波の女帝、この女狐め、巨躯の男は思った。

「今日はどういったご用件で」、巨躯の男が聞く。
「こちら方面で親族の会合がありましてん」、難波の女帝がいう。
「そうですか、いろいろ積もる話をしたいものですな。
だが、車を待たせてますので、またの機会に」、巨躯の男は立ち去ろうとした。

「そうそう、噂で聞いたんやけど、あんたんとこに可愛いお嬢さんがおるようやな。
可愛いお嬢さんは、箱にしまって大事にせなあかんで」、難波の女帝はいった。
背中を向けて歩き始めていた巨躯の男は立ち止まった。
やがて、背中を向けたまま笑い出した。

「何がおかしいんやろ」、難波の女帝がいう。
「難波の女帝どのに、我が社の女性社員に関心を持っていただけるとは。
実に光栄ですな、彼女たちに話せば、さぞかし喜ぶことでしょう」
巨躯の男は、笑いながら立ち去った。

あの男、前から好かんやつやった、バカにするのも、エエ加減にしいや。
ウチが勝てんかったのは、最後の相場師とあの男だけや。
最後の相場師はもうこの世におらへん。
あとはあの男だけや、いつか痛い目にあわせたるからな。

車に乗り込むと、巨躯の男は社長に電話した。
電話に出た社長に巨躯の男はいった。
「難波の女帝という相場師が、うちの女性社員に関心があるようだ、詳細を報告しろ」
「承知しました」、社長はいった。

木を見ず森を見よ

個人投資家が最も陥りやすいことは、相場を見ないことだと思っている。
自身も初心者の頃、関心のある銘柄の株価と日経平均株価しか見なかった。
重要なのは、個別銘柄の値動きだけでなく、相場の状態を確認することだ。
すなわち、木を見ず森を見ることなのであるw

森を見る方法は簡単で、誰にでもできる。
新聞の株式欄で、その週に年初来安値となった株の割合を確認するのである。
事実、2月8日~12日の週は、大半の株が年初来安値になっていた。
特に銀行に至っては、1行を除いた全ての銀行が年初来安値だったのであるw

6月13日~17日の週は、半数程度の株しか年初来安値になっていない。
つまり、先週はセリングクライマックスではなかったのである。
だが自身は、セリングクライマックスが近くまできていると感じている。
自身はセリングクライマックスが来たなら、3日待って保有株の買い増しをする予定だw

上記はあくまで個人の見解です。
くれぐれも投資は自己責任でお願いしますw

2016年6月19日日曜日

女友達の言葉に思ったこと

男女の行為は、人間の基本的な欲求である.
自身のある女友達は、男女の行為をスポーツだと定義している。
自身も子孫を残す目的以外で行うなら、スポーツだと思っている。
ただし、オリンピックの正式種目に採用されることはないスポーツであるw

ところが、このスポーツで高得点をあげる方法は誰も教えてくれない。
基本的な欲求であるにも関わらずである。
高得点をあげるためには、とにかく場数を踏んで経験を積むしかない。
おかげで、自身はいまだに高得点をあげることができずにいるw

物欲も同じで、物欲を我慢する方法は教えてくれる。
だが、どうやれば物欲を満たすことができるかは誰も教えてはくれない。
欲を満たす方法を教えてくれる世の中になればと思うことがある。
争いや犯罪も減少し、今より平和な世の中になるのではと思っているw

私が水着に着替えたら

最近、週末になると近くの温水プールへ泳ぎにいっている。
利用者は高齢者が多く、更衣室だけみると銭湯かと思うほどである。
先日、更衣室のイスにスイミングキャップとゴーグルを置いて水着に着替えていた。
自身の後ろには、泳ぎ終わって着替えている高齢の男性がいたw

ロッカーを閉め振り返ると、高齢の男性が自身のスイミングキャップを手に取っていた。
自分の持ち物なのか確認しているようだった。
自身のスイミングキャップを手に取って見ていた高齢の男性。
次の瞬間、あろうことか自分のバッグの中に放り込んだのであるw

呆気にとられて見ていると、次に自身のゴーグルを手にとった。
こりゃいかんと思い、自身のだと告げ、両方とも取り返した。
誰の持ち物かわからなければ、持って帰ろうとする思考が理解できない。
自身を持って帰られることのないよう、気をつけようと思ったw

銘柄を明かさない理由R89 相場師の聖地(後編)

第89話 相場師の聖地(後編)

暗い境内には誰もいなかった。
賽銭を投じ、男は目を閉じた。
そこには静寂だけがあった。
気づくと風の動きが止まっていた。

ふと何人かの男がいる気配を感じた。
男は目を閉じたまま、男たちが何かいうのを待った。
「何しに来た」、ある男がいう。
「わからないから来た、そもそも夢に出てきたのはそちらだ」、男はいった。

「我らが夢に出てきたというのか」、別の男が驚いたようにいう。
「夢に出てきて、助言をしてくれた」、男はいった。
一斉に男たちは笑い始めた。
「何がおかしい」、男はいった。

「我らは夢に出ておらん、貴様の願望が見せた夢だ」、別の男が笑いながらいう。
「いやあ、久々に笑わせてもろたわ、そこまで好かれるとはな」、別の男がいう。
「まあ、よいではないか、慕われるのはよいことだ。
せっかく来てくれたのだ、彼に真の助言をしようではないか」、最初の男がいった。

不意に男に何かがもたらされた。
それは、江戸、明治、大正、昭和の激動の時代を駆け抜けた相場師たちの人生だった。
これが相場師たちの人生なのか、なんて壮絶な人生なんだ。
気づくと男たちの気配は消えていた。

兜神社を後にした男は行きつけの定食屋へ向かった。
のれんをくぐると。店の奥から「いらっしゃいませ」と声がした。
店は今夜もそこそこ賑わっている。
男は端の空いている席に座ると、テレビを観ていた。

「あら、誰かと思えば」、注文を取りに来た女性店主が笑顔でいった。
「いつものを頼むよ」、男がいった。
女性店主は男を見ている。
「何だ、何を見ている」、男はいった。

「何かあったでしょ」、女性店主がいう。
「ああ、出張とか、いろいろあった」、男がいう。
「何だろ、何か、いつもと違うのよね、まっ、いっか」、女性店主は厨房へ向かった。
女子に悟られるとは未熟者めが、男には兜神社の男たちの声が聞こえたような気がした。

2016年6月18日土曜日

銘柄を明かさない理由R88 相場師の聖地(前編)

第88話 相場師の聖地(前編)

都内のある調査会社。
男は大阪出張の報告書をまとめ終えると、帰り支度を始めた。
「いつも、定時であがるんですね」、女性社員がいった。
「今日は寄るところがあるんだ、お先に」、男は笑顔でいった。

昨夜、男は夢をみた。
暗がりの部屋の中、何人かの男がいた。
着物姿の男もいれば、スーツ姿の男もいた。
暗いため、表情は見えず口元しか見えない。

着物姿の男がいった、「買いは三日待て」
帽子を深くかぶった男がいった、「己が世界で一番、偉いと思え」
別の男がいった、「含み損なら、含み益になるまで持ち続けろ」
別の男がいった、「ブレたらあかん、自分を信じることや」

相場師たちの夢を見るのは久しぶりだった。
男には夢に出てきた男たちが誰だかわかっていた。
本間宋久、福澤桃介、本多静六、是川銀蔵。
いずれも国内屈指の偉大なる相場師たちだった。

自分の投資手法にブレはない。
なのに、なぜ相場師たちが夢に出てくる。
自分でも、気づかない何かがあるのか。
男は考えたが、答えは見つからなかった。

会社を出た男は、地下鉄である場所へ向かった。
地下鉄は会社帰りの会社員やOLで混雑していた。
多くの乗客がスマホに見入っている。
他に楽しみはないのだろうか、男は思いながら目的地へ向かった。

最寄り駅の改札を抜け、目的地へ向かう。
駅へ向かう会社員やOLとすれ違う。
やがて、男は目的の地、兜神社へ辿りついた。
男は境内に足を踏み入れた。

暗い境内には誰もいなかった。
賽銭を投じ、男は目を閉じた。
そこには静寂だけがあった。
気づくと風の動きが止まっていた。

秀逸な株主提案に思う

自身は3大メガバンクの株を保有している。
8306 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループは10,000株。
8316 ㈱三井住友フィナンシャルグループは200株。
8411 ㈱みずほフィナンシャルグループは20,000株であるw

先日、3大メガバンクから株主総会の招集通知が送られてきた。
うち、8306と8411で、おそらく同じ株主からの株主提案があった。
提案内容は、以下の条文を定款に加える。
「日本銀行総裁に傘下各行頭取がマイナス金利政策撤廃の要望書を手渡す」w

実に秀逸な株主提案で、おそらく全ての個人株主が思っていることだろう。
8306と8411の取締役会は、この株主提案に対して反対している。
この株主は、8411だけで51万株超を保有しているらしい。
自身もいつか、このような提案ができる株主になりたいものであるw

落ちるナイフを拾うな

落ちるナイフを拾ってはいけない。
世界的に株価が下落している中、株を買ってはいけない。
今回の下落要因は、実にわかりやすい。
英国のEU離脱懸念だw

来週には英国がEUを離脱するのか、答えが出るのである。
答えが出てから、買っても遅くはない。
今回、大きく売っているのは、チキンの外国人投資家である。。
彼らは、我々のために絶好の買い場を作ってくれているのであるw

英国がEUを離脱しようがしまいが、国内企業への影響は微々たるものだ。
自身は2020年の東京オリンピックまでは、好景気が続くとみている。
2020年までにどれだけ底値で仕込めるかが、資産を大きく増やすカギだと考えている。
底値で仕込めるセリングクライマックスは、すぐそこまで来ているのであるw

2016年6月17日金曜日

銘柄を明かさない理由R87 株の魅力

第87話 株の魅力

その証券会社は、最後の相場師に師事した巨躯の男が作った会社だった。
現在の社長は、破綻した大手証券会社の元エリート社員。
社歴こそ浅いが、今、最も勢いのある証券会社だった。
会社の資産運用を担当する部署は、アルカディアといった。

アルカディアを率いるのは、端正な顔立ちの女性、無敗のクイーン。
専属社員は、小柄な小動物を連想させる若き天才女性トレーダー、無敗の天然ことテン。
他の9名の女性トレーダーも含め、アルカディアには精鋭が揃っていた。
ストップ安の株をストップ高にしたアルカディアは、今や業界内で知らない者はいなかった。

大阪へ出向いた日の翌日。
アルカディアで無敗のクイーンにテンが話しかけた。
「難波の女帝の狙いの株は、アルカディアのメイン株の1つだったんですね」
「気にすることはない、かぶることもあるだろう」、無敗のクイーンがいう。

アルカディアは、無敗の個人投資家たちの売買データを元に運用を行っていた。
難波の女帝が標的とした株は、ある無敗の個人投資家のメイン株でもあった。
リーマンショック、東日本大震災で買い向かった無敗の個人投資家。
あの男がどう動くかだ、無敗のクイーンは思った。

だが、無敗のクイーンは知らなかった。
一緒に大阪へ行った調査会社の男が、その無敗の個人投資家であることを。
「今日も順調に下げてますね」、テンがいう。
順調な下げか、テンらしい表現だ、無敗のクイーンは笑いそうになった。

都内のある調査会社。
男は大阪出張の報告書をまとめ終えると、帰り支度を始めた。
「いつも、定時であがるんですね」、女性社員がいった。
「今日は寄るところがあるんだ、お先に」、男は笑顔でいった。

男は女性社員の父親と同い年だと聞いたことがある。
女性社員の父親は、破綻した大手証券会社のエリート社員だった。
父親とは、何年も会っていない。
今、どこで何をしているのか。

女性社員は株はギャンブルだと思っている。
ギャンブルだから、父親の勤めていた証券会社は破綻したのだ。
株の何が人を惹きつけるのか。
女性社員にはわからないし、知りたいとも思わなかった。

天高く娘肥ゆる初夏

自身の娘は大学2年生である。
2年生になってから実習が始まり、日によっては遅くまで大学に居残っている。
スーパーとパン屋のバイトを掛け持ちしており、月数万円を稼いでいる。
よく学び働く娘で、定時で会社を出て帰宅する自身とは大違いであるw

そんな娘だが、最近、心配していることがある。
娘は家にいるときは、疲れているのか、ほとんど寝ている。
たまに起きてくると、お腹が空いたといって、食べる。
しかも、起きたてなのに、高カロリーの食事をがっつり食うw

カルボナーラやロコモコ丼など、ヘルシーとは無縁の食事だ。
お腹がいっぱいになると、また寝る。
娘は大学の実習で白衣を着ている。
卒業までに、白衣が着れなくなるのではないかと心配しているw

2016年6月16日木曜日

銘柄を明かさない理由R86 その女、無敗につき(後編)

第86話 その女、無敗につき(後編)

1分も経たないうちに、若い男は路上に叩きのめされていた。
「大丈夫ですか」、介抱する彼女に年配の男性はいった。
「すまない、娘のような女性に助けてもらうとは、私も歳だな。
すぐそこに私の会社がある、お礼をさせてもらえるかな」

これから面接があるため、彼女は断ろうとした。
だが先ほどの激しい動きで、スーツの上着は大きく破れていた。
この格好じゃ笑われるだけだな、後の予定はないし、つきあってみるか。
彼女は年配の男性の会社に、ついていくことにした。

年配の男は、ある証券会社の社長だった。
社長室へ通された彼女に、飲み物を運んできた秘書らしき女性がいった。
「上着を預からせていただけますか」、彼女は破れた上着を渡した。
「ひょっとして、就職活動をされていたのかな」、入ってきた社長がたずねた。

「はい、今日は十数社目の面接予定でした」、彼女は答えた。
「どうだね、我が社を受けてみる気はないかね、これも何かの縁だ。
もちろん採用にあたって、特別扱いはしないがね」、座りながら社長はいった。
「御社は、どのような仕事をされているのでしょうか」、彼女はたずねた。

「企業の価値を表すものが、時価総額といわれるものだ。
例えば、時価総額が100億円の企業が1億株を発行しているのなら、株価は100円だ。
だが実際はそうはならない、100円の株が1,000円になったり、10円になったりする。
お客様に真の情報提供し、資産運用を手助けすることが我々の仕事だよ」、社長はいった。

「御社が求める人材を教えていただけますか」、彼女はたずねた。
「私たちが欲しいのは、自分をしっかりと持っている人だ。
世界で自分が一番、偉いと思っているような、自分に自信を持っている人だよ」
社長はにこやかにいった。

社長室のドアがノックされ、社長が入室を許可すると、秘書らしき女性が入ってきた。
秘書らしき女性は、預かっていたスーツを彼女に手渡した。
「応急ですが繕っておきました、これは当社からの感謝の気持ちです」
秘書らしき女性は、彼女に現金の入った封筒を渡すと退室した。

「起きろ、もうすぐ東京だぞ」、テンが目を覚ますと、大阪から帰る新幹線の中だった。
不思議な夢を見た、ひょっとして、無敗のクイーンの夢を見たのだろうか。
「母子家庭で、小さい頃からケンカが強かったりとかします?」、テンは聞いてみた。
「母子家庭だよ、ケンカはそうだな、弱くはなかったよ」、無敗のクイーンは答えた。

売り買いは3日待て

タイトルは、ウォール街の相場格言である。
江戸時代の相場師、本間宋久の「宋久翁秘録」にも同様の格言がある。
「売り買いとも今日よりほか商い場なしと進み立つ(心がはやりたつ)とき、三日待つべし」
なぜ三日なのか、三日待つことにより反転したか判断できるからであるw

下落相場の特徴は、だらだらと下がり続ける。
なぜなら、下落相場は恐怖で支配されており、売りの力が圧倒的だからだ。
稀に反発することはあっても、連続で騰がることは極めて稀だ。
恐怖の売りが頂点に達したセリングクライマックスを見極めるため、三日待つのであるw

先日、受診した人間ドックで、いくつかの項目が要再検査だった。
再検査になったのは肺と肝臓で、場合によっては、禁煙と禁酒になるところだった。
先日、結果が出て、悪性のものは見つからず、禁煙と禁酒を免れることができた。
危うくタバコと酒を取り上げられ、株しか残らないところだったw

今、自身は心身ともに、新たに生まれ変わった気分だ。
自身はセリングクライマックスを、今か今かと待ちわびている。
まるで愛しの人を待ち続ける江戸の町娘にでもなったような気分だ。
BGMは、買う阿呆に♪売る阿呆♪同じ阿呆なら買わなきゃ損損♪であるw

2016年6月15日水曜日

銘柄を明かさない理由R85 その女、無敗につき(前編)

第85話 その女、無敗につき(前編)

彼女は勝ち続けてきた。
物心がついたとき、彼女は自分の家が母子家庭であることを知った。
だが、父親がいる家庭を羨ましく思うことはなかった。
なぜなら、彼女の周りには弱いものをいじめる男しかいなかったからである。

母子家庭をからかう男子生徒を、彼女は皆の前で叩きのめした。
勉強ができるだけが取り得の男子生徒には、彼女は簡単に最高点を取ってみせた。
ある日、彼女は上級生たちに生意気だという理由で呼び出された。
さすがに無傷とはいかなかったが、上級生たちを叩きのめした。

高校卒業後、彼女は難関大学に入学した。
難関大学とはいえ、彼女にとってトップクラスの成績を維持するのは容易かった。
就職活動の時期になったが、彼女には公務員になる気はなかった。
公務員の何が楽しいのか、民間企業で勝ち続けることにこそ意味がある。

彼女の大手企業への就職活動が始まった。
ほとんどの企業で、彼女は最終面接までいった。
だが届くのは、不採用の通知ばかりだった。
母子家庭だからか、彼女は思った。

彼女が不採用になったのは、母子家庭だからではなかった。
彼女を受け入れることができる企業がなかったのである。
彼女のような個性的な人材は、大手企業からは歓迎されない。
大手企業は、個性的ではない無難な人材を好むのである。

ある日のことだった。
面接先の企業へ向かう彼女の目の前で、男と男の肩が激しくぶつかった。
年配のスーツ姿の男性が勢いよく転び、ぶつかった若い男がいった。
「ちゃんと前見て歩けよ、おっさん」

「きさま、謝らんか」、彼女はいった。
「なんやネエちゃん、文句あるんか」、若い男がいった。
「弱い犬ほど、よく吠える」、彼女はいった。
「なんやと」、若い男が近づいてきた。

1分も経たないうちに、若い男は路上に叩きのめされていた。
「大丈夫ですか」、介抱する彼女に年配の男性はいった。
「すまない、娘のような女性に助けてもらうとは、私も歳だな。
すぐそこに私の会社がある、お礼をさせてもらえるかな」

結婚の本質

最近、思うことがある、結婚とは子孫を残すことなのだと。
子孫を残すこと以外に、結婚する意味はないのではないかとさえ思っている。
恋だの愛だのとはいっているが、生涯、1人だけを愛せる人は極めて少ないと思っている。
自身にはとてもじゃないが、重すぎてムリだw

なぜ生涯、1人だけを愛し続けなくてはならないのか。
法律で決まっているから、世の中の常識と人はいう。
ならば、なぜ世の中には不倫する男女が多いのか。
答えは簡単で、需要があるから供給があるのであるw

自身のご先祖様は、平家の落人である。
自身の身体の中には、源平合戦で戦った武士の血が流れている。
自身は子どもを設けたので、ご先祖様の子孫を残せた。
あとは自身の好きなように生きるだけであるw

2016年6月14日火曜日

結婚できない男女の共通点

自身の周囲には、いい歳なのに未婚の男女がいる。
最近、彼らには共通点があることに気づいた。
1つは、異性に対して無防備なこと。
あと1つは、相手によって接し方を変えることであるw

異性に対して無防備なこととは、異性の前で身だしなみを整えることである。
特に女性の場合、男性の前で身だしなみを整える行為は致命的である。
結婚すれば、イヤでも相手の素の姿を知ることになる。
結婚する前に女性の素の姿を知ったら、男性は引くに決まっているw

相手によって接し方を変えるのは、男性に多い。
好き嫌いの感情はあっても、決して接し方を変えてはいけない。
露骨に接し方を変えられたら、接し方を変えられた女性は怒るに決まっている。
その男性の評価は文字通り、地に落ちるのであるw

2016年6月13日月曜日

株価下落は好機なり

株価が下落した場合、多くの人は資産が減ったと思う。
なかには損切りするような愚かな行為に走る人がいるかもしれない。
株で資産を増やしたいのであれば、株価下落は好機ととらえるべきである。
一定の投資額で、頻繁に株を売り買いしても、大きく資産は増えないw

適切な時期に資金を投入し続けることで、大きく資産を増やせるのである。
すなわち、株価の下落は安値で買い増しできる好機なのである。
資金があれば買い増し、資金がなければ貯蓄して買い増しするのである。
現在、自身が保有している5銘柄中1銘柄が、100万円以上の含み損であるw

自身は元本を引き上げているため、実質的な評価損益はプラスである。
だが大きく資産を増やすため、これから時期をみて、追加資金を投入する。
株価の下落に買い向かうために、自身は貯蓄してきたようなものである。
追加資金は全額1銘柄へ集中投資、万株単位の買い増しになる予定だw

2016年6月12日日曜日

熊本産焼酎のご紹介

自身は熊本地震以降、熊本産焼酎を飲むようにしている。
わずかでも被災地の支援になればと思っている。
熊本産焼酎の魅力について書いてみる。
もちろん、飲みながら書いているわけではないw

下は米焼酎「しろ」である。
創業明治33年の高橋酒造株式会社の焼酎である。
テレビCMも流されているので、ご存知の方も多いだろう。
すっきりした飲み口で美味い焼酎であるw

この焼酎はネーミングもいい。
シンプルに「しろ」である。
黒烏龍茶のテレビCMに出ている外国人スーパーモデルがいる。
おそらく、この焼酎を見れば、「クロ」とはいわないだろうw
下は麦焼酎の「麦汁」である。
創業明治27年の豊永酒造の焼酎である。
全国酒類コンクールの麦焼酎部門で3年連続の受賞を果たしている。
香りよく甘みのある飲みやすい焼酎であるw

この焼酎もネーミングがいい。
「麦汁」は「ムギシル」と読むのである。
黒烏龍茶のテレビCMに出ている外国人スーパーモデルがいる。
おそらく、この焼酎を見れば、ビールと間違えるだろうw

銘柄を明かさない理由R84 パンドラの箱(後編)

第84話 パンドラの箱(後編)

「淀屋の一族が大手企業を乗っ取り、外資企業に売り渡すという計画は本当でしょうか」
いきなりの核心をついた質問に、場は静まり返った。
この男、いきなり直球をぶつけてきやがった、今の沈黙で認めたも同然や。
ワテとしたことが、すっかり油断してたわ、淀屋は思った。

「ワテは淀屋やけど分家ですわ、本家のことはようわかりまへんねん。
せやけど関西の相場師の間で、そういう噂があることは聞いたことがおます」、淀屋がいう。
「なるほど、噂レベルなんですね、安心しました」、秘書はいった。
秘書を装った調査会社の男は確信した、計画は本物だと。

「あとひとつだけ教えてください。
その噂で、難波の女帝が乗っ取ろうとしている会社のことです」
秘書は数日前から株価が下がり始めたある大手企業の名を告げ、間違いないかと聞いた。
どう答える、秘書は淀屋を見据えた。

この男、全て知った上で聞いてきとる。
全て知ったとしても、どないもできへんやろ。
「噂になっとるのは、今、いわはった会社ですわ」、淀屋はいった。
「そうなんですね、お教えいただき、ありがとうございます」、秘書は礼をいった。

新大阪駅の構内。
2人の女性は、すでに東京へ向かっている。
男は勤務先の調査会社へ電話した。
ワンコールで、女性社員が電話に出た。

男は名乗り、社長へ取り次ぐよう伝えた。
「危ないことは、していませんよね」、女性社員がいう。
「危ないことができるほど若くないよ、心配してくれてありがとう」、男はいった。
「安心しました、社長におつなぎいたします」、女性社員はいった。

「ご苦労だった、成果を教えてくれ」、社長はいった、
「調査した結果、計画は本物です」、男は標的の大手企業名も伝えた。
「わかった、お得意様に伝えておく」、社長がいう。
「あと、パンドラの箱だったと伝えておいてください」、男がいう。

「パンドラの箱?希望があるってことか」、社長がたずねる。
「今回の件、淀屋の一族はパンドラの箱を開けました。
だがパンドラの箱の中には、アルカディアという名の希望が残っていたのです」
男は報告を終えた。

銘柄を明かさない理由R83 パンドラの箱(前編)

第83話 パンドラの箱(前編)

パンドラの箱とは、この世の全ての災いを収めた箱のことである。
古代ギリシャの神ゼウスは、パンドラにこの世の災いを収めた箱を持たせた。
地上に降り立ったパンドラは、好奇心からこの箱を開けてしまう。
全ての災いが箱から飛び出し、慌てて蓋をしたが、残ったのは「希望」だけだった。

4人は食後の飲み物を飲みながら、世間話に興じていた。
淀屋は違和感をもった、この秘書とかいう男、本当に秘書なんやろか。
秘書なのに対等の立場で物言いしよる、秘書ならこんな物言いせんやろ。
カマかけてみよか。

やがて、無敗のクイーンがトイレに席を外した。
「ところで秘書さんは何年、秘書やってはるんでっか」、淀屋は秘書にたずねた、
「そうですね、かれこれ10年近くになりますね」、秘書の男は答えた。
「そうでっか、長いことやっておられるんや」、淀屋がいった。

無敗のクイーンがトイレから戻ってくると、淀屋が聞いた。
「ところで別嬪さんは何年前に秘書がついたんでっか」
無敗のクイーンは瞬時に気づいた。
この唐突な質問は罠だ、席を外している間に何かやりとりがあったに違いない。

「何年前だったかな」、無敗のクイーンは秘書を装った調査会社の男を見た。
調査会社の男の目は、任せろといっていた。
「テンが来てからだから、かれこれ3年になるかな」、無敗のクイーンは答えた。
淀屋の目が光った。

「社長の秘書からあなたの秘書になったのは4年前ですよ」、秘書がいった。
「そんなになるか」、無敗のクイーンがいう。
「ここだけの話、彼女は自己中ですが、誰よりも仕事ができる女性なんです。
だが、お目付け役がいないとまずいということで、私が秘書に任命されたのです」

「なるほど、そういう事情があったんでっか。
どうりで秘書らしからぬ物言いをしはるわけや」、淀屋は納得した。
「いやあ、本当に楽しい時間でした、ところで淀屋さん」、秘書がいう。
「何でっしゃろ」、淀屋が笑顔で聞く。

「淀屋の一族が大手企業を乗っ取り、外資企業に売り渡すという計画は本当でしょうか」
いきなりの核心をついた質問に、場は静まり返った。
この男、いきなり直球をぶつけてきやがった、今の沈黙で認めたも同然や。
ワテとしたことが、すっかり油断してたわ、淀屋は思った。

2016年6月11日土曜日

銘柄を明かさない理由R82 淀屋の憂鬱

第82話 淀屋の憂鬱

高級ブランドのスーツに身を包んだ男は淀屋だった。
今日は別嬪さんのために決めてきましたで、そろそろ、約束の時間や。
駅の方向から歩いてくる無敗のクイーンを見つけた淀屋は呆気にとられた。
な、なんで、モップちゃんがおんの、しかも隣には男もおるやんか。

「お待たせした」、無敗のクイーンが淀屋にいう。
「いえ、それより今日は3人でお越しやったんでっか」、淀屋がいう。
「この男は私の秘書だ」、無敗のクイーンが男を紹介した。
「はじめまして」、男は無敗のクイーンが用意した社員証を見せて挨拶した。

「そうでっか、秘書さんでっか、ちょっと待っといてや」
淀屋は3人に話し声が聞こえないところまでいくと、運転手に電話をかけた。
「変更や、店に電話して料理2人前追加しといてや。
あと花束を後ろのトランクに突っ込んでから、車回してんか」

「もうすぐ車がきますよって、ところで大阪は初めてでっか」、淀屋がいう。
「何度か来たことあります」、「私もです」、モップちゃんと秘書が答える。
あんたらには聞いてへんねん、心の中で淀屋は思ったが顔には出さなかった。
「私は初めてだ」、無敗のクイーンの答えを聞き、淀屋は安堵した。

黒塗りの高級車が到着し、淀屋は後部座席のドアを開けた。
座席に落ちていた花びらを慌てて拾うと、3人にいった。
「さあ乗っておくんなはれ、贔屓の店に案内させてもらいます」
淀屋と3人を乗せた黒塗りの高級車は流れるように走りだした。

やがて、黒塗りの高級車は立派な門構えの高級料亭に着いた。
淀屋は助手席から降り、後部座席のドアを開ける。
「ありがとうございます」、「すいません」、モップちゃんと秘書が降りてくる。
あんたらのためにしとるんやない、心の中で淀屋は思ったが顔には出さなかった。

ふと見ると、無敗のクイーンは運転手が開けた反対側のドアから降りていた。
何年、ワテの運転手やってんのや、心の中で淀屋は思ったが顔には出さなかった。
和室のテーブル席に通された4人の前に、次々と料理が運ばれてきた。
「お口に合うかどうかわかりまへんけど、召し上がっておくんなはれ」、淀屋がいう。

「美味しい、淀屋さんはいいお店を贔屓にされてるんですね」、モップちゃんがいう。
「確かに絶品ですね、やはり大阪の食文化はレベルが高い」、秘書がいう。
あんたらの感想はどうでもええねん、心の中で淀屋は思ったが顔には出さなかった。
「こんな美味いものは初めてだ」、無敗のクイーンの感想に淀屋は歓声をあげそうになった。

銘柄を明かさない理由R81 敵地へ

第81話 敵地へ

翌日、無敗のクイーンと無敗の天然ことテンは大坂へ向かう新幹線の中にいた。
昨夜、男から淀屋一族の計画を聞いた無敗のクイーンは即座に大阪行きを決めた。
その場で、無敗のクイーンは淀屋に電話した。
数コールで淀屋は出た、「はい、どちらはんでっか」

無敗のクイーンが名乗ると、淀屋はたちまち嬉しそうな声になった。
「こんな時間に別嬪さんから電話貰えるとは、まさかワテの声が聞きたかったんでっか」
単刀直入に無敗のクイーンは明日、大阪へ行くが会えるかと聞いた。
「ワテに会いに大阪へ来てくれるんでっか、何をおいても会いにいきますわ」

待ち合わせの時間と場所を決めると、無敗のクイーンは通話を終えた。
「明日の12時、場所は淀屋橋だ」、無敗のクイーンは男にいった。
「承知した、では現地集合で」、男は立ち去った。
展開の早さに、小柄な小動物を連想させる女性、テンは目を白黒させていた。

「初めて乗りましたけど、結構、混んでるんですね」、テンがいう。
「新幹線に乗るの、初めてなのか」、無敗のクイーンが驚きながらたずねる。
「普通車に乗るの初めてなんです、いつもグリーン車ばかりだったんで」、テンがいう。
聞くんじゃなかった、無敗のクイーンは寝ることにした。

別の車両には、調査会社の男がいた。
まさか小柄な小動物を連想させる女性が、アルカディアの一員だったとはな。
世の中、広いようで狭いもんだ。
男は売店で買った新聞の株式欄を開いた。

数日前から、男の保有する大手企業の株が下がり始めていた。
同業他社に比べて、下げが際立っていた。
しかも、今までにない大きな出来高を伴う下げだ。
まさか、この大手企業がターゲットなのか、男は嫌な予感がした。

大阪の淀屋橋。
時刻は正午になろうとしていた。
高級ブランドのスーツに身を包んだ1人の男が人を待っていた。
通りを行きかう人々は一様に男を見ていく。

高級ブランドのスーツに身を包んだ男は淀屋だった。
今日は別嬪さんのために決めてきましたで、そろそろ、約束の時間や。
駅の方向から歩いてくる無敗のクイーンを見つけた淀屋は呆気にとられた。
な、なんで、モップちゃんがおんの、しかも隣には男もおるやんか。

2016年6月10日金曜日

銘柄を明かさない理由R80 3枚のカードが揃うとき

第80話 3枚のカードが揃うとき

3日間で大手企業乗っ取り計画が本当なのか突き止めろか。
どうすれば、突き止めることができる。
キーワードは「淀屋」に「難波の女帝」か、男は考え始めた。
考えていても仕方がない、検索してみるか。

男が「淀屋」を検索すると、10万件を超える膨大な数がヒットした。
この中に何か手がかりになるヒントがあるはずだ。
男は、ヒットした記事を読み続けた。
やがて、ある個人ブログにたどりついた。

そのブログの管理人は、若い女性のようだった。
カテゴリは聞いたこともないゲームやアニメのタイトルばかりだった。
投稿は多くなかったが、ゲームやアニメの新作情報や感想が大半だった。
だが、「淀屋」というワードが出てくる投稿があった。

「今日、淀屋さんから電話がありました♪
淀屋さんは、イケメンの芸人さんに似ています。
淀屋さんはわたしのことを○○○ちゃんと呼んでくれました。
ひょっとして、これから何かが始まるかもしれません♪」

賭けてみるか、男はブログにあった連絡先のメールアドレスにメールした。
「はじめまして、訳あって淀屋さんの連絡先を至急、知りたいのです。
メールではお教え頂けないでしょうから、あなたの指定する場所に出向きます。
私の姿を見て教えたくないと思うなら、そのままお立ち去りください」

夜遅くに返信がきた。
「明日19時に東京証券取引所横のコンビニのイートインコーナーに来れますか。
もし、会ってもいいと思ったら、30分以内に声をかけます」
「新聞を読んでいるスーツ姿の男性が私です」、男はメールを返信した。

19時前から、男は東京証券取引所横のコンビニのイートインコーナーにいた。
新聞を読みながら、男は待ち続けた。
10分が経ち、15分、20分、25分と経過した、ダメだったか、男が諦めかけたときだった。
「あの~前にお会いしましたよね」

振り向くと、小柄な小動物を連想させる若い女性がいた。
覚えている、ここで自分を知り合いの誰かと間違えた女性だ。
小柄な小動物を連想させる女性の横にいる端正な顔立ちの女性にも見覚えがあった。
その女性は、ある証券会社の資産運用部署アルカディアを率いる女性だった。

2016年6月9日木曜日

銘柄を明かさない理由R79 至急の調査依頼

第79話 至急の調査依頼

都内のある調査会社。
オフィスで仕事をしていた男に、女性社員が声をかけた。
「社長がお呼びです、今すぐ社長室へ来てくださいって、また何かよくないことされました」
「前にもいったろ、心当たりは山ほどあると」、男は社長室へ向かった。

社長室に着いた男は、軽くノックをした。
「入りたまえ」、男が社長室に入ると、社長は窓の外を見て、しばらく黙っていた。
「遠慮は要らん、掛けたまえ」、太った貫禄ある社長が振り向きながらいう。
とっくに、男はソファに座っていた。

「す、座っていたのか、まあいい」、社長がバツがわるそうにいった。
「また仕事の依頼ですか」、男はたずねた。
「ああ、そうだ、我が社のお得意様からの依頼、しかも至急とのことだ」、社長がいう。
「調査する内容はどういったことでしょう」、男が聞いた。

「ある大手企業を乗っ取る計画があるらしい、本当なのかを調べて欲しい」、社長がいう。
「誰が乗っ取ろうとしているのですか」、男はいった。
「淀屋という一族で、首謀者は難波の女帝と呼ばれている相場師らしい」、社長がいう。
「ちょっと待ってください」、男はいった。

「我が社のお得意様は、世界有数の保険法人ですよね。
なぜ保険法人が日本企業の乗っ取りについて、調査を依頼するのですか」、男はたずねた。
「乗っ取ったあと、外資企業に売り渡すらしい。
大手企業が外資企業に売り渡されれば、何らかの影響があるのだろう」、社長はいった。

「調査に与えられた期間は」、男がたずねた。
「お得意様は3日後の報告を希望している、どうだ、できるか」、社長がたずねた。
「できなくても、やらざるをえないのでしょう」、男はいった。
「当たり前だ、お客様は神様だからな」、太った社長は笑いながらいった。

席へ戻った男に、女性社員が声をかけた。
「飲み物をお持ちしましょうか」
「ありがとう、だが今はいい」、男はいった、
「お役にたてることがあるなら、何なりと仰ってください」、女性社員がいった。

「自分のことは自分で何とかするよ。その気遣いだけで十分だよ」
3日間で大手企業乗っ取り計画が本当なのか突き止めろか。
どうすれば、突き止めることができる。
キーワードは「淀屋」に「難波の女帝」か、男は考え始めた。

不倫報道で娘にいわれたこと

昨日、自身が帰宅すると娘が聞いてきた。
「W不倫のニュースがあったけど、大丈夫か」である。
当たり前だと答えたが、その後の娘の言葉にむかついた。
「まっ、別に関心ないけど」であるw

関心ないのなら聞くなよ、である。
今回の件は、いい歳した大人同士の出来事である。
ましてや、当事者や関係者以外の誰かに迷惑をかけるものでもない。
面白おかしく報道するから、自身が娘からむかつく言葉をいわれたのであるw

生涯、1人の相手しか見ない人はいるかもしれないが、極めて少ないと思う。
自身が結婚する際、嫁にいった言葉がある。
「浮気してもいいが、バレないようにやれ、バレたら別れる」である。
もちろん、いったからには責任がある、自身は上記の言葉を守り続けてきたのであるw

2016年6月8日水曜日

銘柄を明かさない理由R78 関西の気高き相場師たち

尊敬する実在の相場師を、ご本人の承諾なしに登場させています。
もし不快な思いをされたのであれば、ご一報いただければ改稿いたします。

第78話 関西の気高き相場師たち

難波の女帝の計画は、恐ろしい計画だった。
業績が低迷している大手企業の株を売る。
株価が下がったところで、大量の買いを入れる。
過半数を超える株を入手したら、外資企業に売り渡すというものだった。

淀屋の一族の親族会議。
難波の女帝と呼ばれる女相場師はいった。
「この国は危機感が欠如しとります。
役人の天下り先の大手企業を外資企業に売り渡せば、少しは目が覚めるはずやわ。

この大手企業の株の時価総額は1兆円もおまへん。
ウチら一族の力を合わせれば、過半数の株を取得することは簡単や。
一気に売って、安値になったところを大量に買うんや。
気づいたときには、この大手企業は淀屋一族の会社になってるんよ。

これが成功すれば、関東のお偉方も目を覚ます。
本格的な景気対策に取り組むはずや。
今こそ、淀屋が表舞台に出るときや」
会場は盛大な拍手に包まれ、閉会した。

難波の女帝には抜かりがなかった。
親族会議で賛同を得た難波の女帝は、意図的に情報をリークした。
「えらく下がる株があるんやけど聞きたいでっしゃろ」
話を持ちかけられたほとんどの者が銘柄を知りたがり、事前に情報を手に入れた。

だが、中には毅然とした態度を貫く相場師たちもいた。
関西で名の知れた大物相場師である株銀もその1人だった。
「株は成長する企業に出資し、ともに利益を享受することだ。
売り方では参戦しない、わるいが他をあたってくれ」

古都京都でその名を知られた大物相場師である鳳凰堂も同じだった。
「私は私のやり方で相場に挑んできた。
人の意見に左右されることはない、お帰り願おう」
他にも難波の女帝の提案を一蹴した関西の相場師は少なからずいた。

せっかくの儲け話を断るなんて、何を考えてるんやろ。
あとで文句いうてきても知らんさかいな。
まあええわ、そろそろショータイムの始まりやで。
難波の女帝は、不敵な笑みを浮かべた。

私の新たな野望

自身はブログで「銘柄を明かさない理由R」という読み物を連載している。
素人が書いているので、プロの方からすると、読むに耐えない駄作に違いない。
だが、自身にとっては世界に1つしかない、かわいい作品なのである。
よって、いつの日か「銘柄を明かさない理由R」を自費出版したいと考えているw

ネットで調べたが、今は簡単に自費出版できるらしい。
とりあえず300部を印刷、自身や友人への贈呈分を除いた200部を流通させる。
販売はネット販売オンリーの予定である。
なぜなら、全ての出版物を収集・保存する国立国会図書館に残すことが目的だからであるw

定価はいくらの予定かって。
自身が執筆に費やす時間等を考慮すると、定価100万円は下らないと思っている。
そんな本が売れる訳ないだろうって。
普通の人には売れない、だが、なかには1人くらい買う物好きな人がいるかもしれないw

2016年6月7日火曜日

業者ブログの見分け方

自身は「にほんブログ村」に参加している。
ときおり、他の方のブログを読ませていただく。
なかには明らかに業者のブログだと思われるブログがある。
業者ブログの見分け方について書いてみるw

業者ブログは、基本的に特定の金融商品しか勧めない。
特定の金融商品のバナーを貼ってあるのは、いうまでもない。
金融商品を勧めるのはいいが、書いているのはホームページと同じ謳い文句である。
独自の視点での切り口や、具体的な運用成果の報告はなく、私生活ネタもないw

否定的な記事を見かけた場合、すぐにその金融商品を勧めてくるのも特徴だ。
もちろん書いているのは、ホームページと同じ、具体的でない謳い文句である。
自身はときおり、株式以外の金融商品について記事を書く。
すぐにその金融商品を勧めるブログは、業者ブログである確率が高いと思っているw

もちろん、彼らは悪いことをしている訳ではない。
自分たちの金融商品の売り上げを伸ばすために、日夜、頑張っているのである。
彼らにも生活があり、大切な人もいるだろう。
自身は、彼らのブログを暖かい目で見守っていくつもりだw

銘柄を明かさない理由R77 恋するモップちゃん

第77話 恋するモップちゃん

ある日のこと、代表電話がある総務部からアルカディアに内線があった。
「淀屋と名乗る方からお電話です、おつなぎいたします」
無敗のクイーンが席を外していたので、無敗の天然ことテンが電話に出た。
「淀屋です、今から伝えることは大事なことでっさかい、きっちりメモっとくんなはれ」

「あの、リーダーは今、席を外しているんですけど」、テンがいう。
「何や、あの別嬪さんと違うんかいな、あんたは誰や、こないだおった女の子の1人か」
「はい、あのとき、後ろにいた1人です」、テンがいう。
「ワテから見て、何番目の女の子や」、淀屋が聞く。

「左からいうと3番目、右からだと・・・8番目でした」、テンが答える。
「あ~思い出したで、モップ持ってた子やんか」、淀屋が笑いながらいう。
「はい、あのときはすいませんでした」、テンは謝った。
「気にしてへんよ、それより大事なこと伝えるから、メモしてや」

淀屋は受話器越しにでもわかる真剣な口調でいった。
「近いうちに大きく下がる株があるけど、決して手出したらあかんで」、淀屋がいう。
「どうしてなんですか、手を出すか出さないかは私たちが決めることです」、テンがいう。
淀屋は少しの間、沈黙した、言葉を選んでいるようだった。

「確かに理不尽な忠告に聞こえるかもしれんな。
ワテがいわれても納得せんわ、けど訳あって詳しいことはいえんのや。
ええか、モップちゃん、近いうちに大きく下がる株には気いつけや。
あの別嬪さんにも伝えといてや、ほな」、淀屋はいいたいことをいうと電話を切った。

モップちゃんか、初めての呼び名だ。
小柄な小動物を連想させる女性は、入社以来、天然だと言われ続けてきた。
彼女は彼女なりに一生懸命やってきたつもりだ。
だが、いつもミスをして部署を転々とさせられてきた。

モップちゃんになるのもいいかもしれない。
いつも片手にモップを持つモップちゃん、テンはイスを滑らせる。
そこ綺麗にしといてやといわれて綺麗にするモップちゃん、テンはまたイスを滑らせる。
「何をしているんだ」、振り向くと無敗のクイーンが腕組みして見ていた。

一瞬、頭が真っ白になったテンは慌てていった「流行のオフィスエクササイズしていました」
テンは淀屋からの電話の内容を、無敗のクイーンに伝えた。
「面白い、相場で何かが起ころうとしている」、無敗のクイーンは不敵な笑みを浮かべた。
このとき2人は知らなかった、大きく下がる株がメイン株の1つであることを。

2016年6月6日月曜日

銘柄を明かさない理由R76 親族会議

第76話 親族会議

大阪の一流ホテルで、ある一族の親族会議が開かれていた。
数百名の出席者に、高齢の鶴のような体躯の男が張りのある声でいった。
「本日も無事、淀屋の一族が集うことができた。
誠に喜ばしいことである、これも一重に皆の頑張りの賜物じゃ、感謝する」

会場からは、どよめきと歓声があがる。
鶴のような体躯の男、現在の淀屋本家の当主は続けた。
「我らは同じ血の流れる一族じゃ。
一族の力を必要とする者は、遠慮なく申し出るがよい」

1人の女性が挙手をした。
発言権を与えられた女性は話し始めた。
「ここんとこ景気が低迷して、日本経済は元気がおまへん。
相場を使って景気よくしようと思うんやけど、皆さんご協力願えまへんやろか」

その女性は一族の中でも有名な女相場師で「難波の女帝」と呼ばれていた。
「関東のお偉方は、経済ちゅうもんをわかってはらへん。
ご先祖さまのように、相場を使って日本経済を元気にするべきときとちゃいまっか」
会場の賛同者から、拍手が起こった。

1人の男が挙手した。
発言権を与えられたイケメンの芸人に似た男は話し始めた。
「ご先祖さまは米市を作りはったんであって、相場を動かしたわけやおまへん。
株価操作は違法行為や、ワテは止めた方がよろしいかと思います」

難波の女帝は、反論した男を見据えるといった。
「誰かと思えば分家のあんたかいな、あんたのしてることこそ株価操作やで」
イケメンの芸人に似た男はいった。
「ワテは相場で儲けた金を、中小企業に無利息で融資してます」

難波の女帝は、不敵な笑みを浮かべるといった。
「儲けるために何をしたんや、株価操作したんやろが。
分家のくせに淀屋の屋号を名乗れるのは、誰のおかげか、わかってんのか。
ホンマやったら、あんたはこの場におられへん人間なんやで、わかっとんのか、返事は」

「すんまへん」、男は引き下がった。
その後、難波の女帝が話し始めた計画は、恐ろしい内容だった。
聞きながら男は血の気が引いていくのを感じていた。
こんなん景気対策でも何でもないやん、男は思った。

年に2回の配当生活に思う

帰宅すると、8411 みずほフィナンシャルグループから配当金領収証が届いていた。
自身は20,000株のタダ株を保有しているので、税別59,764円である。
自身は他に4銘柄を保有しているが、全銘柄の決算月は3月である。
よって、6月と12月に配当が入ってくるw

6月と12月は入ってくる配当が生活費を上回る。
すなわち、6月と12月の給与は全て貯蓄できることになる。
また6月と12月は賞与の支給月でもあるが、当然ながら賞与も全て貯蓄にできる。
6月と12月を除く10ヶ月がマイナスにならないようにすれば、資産は増え続けるのであるw

自身は過去、8411を60,000株保有していた。
計算したことはないが、今まで8411から得た配当の総額は100万円近くになるだろう。
投資信託のような金融商品では配当は得られない。
保有しているだけで資産が増え続けるのは、株式だけなのであるw

2016年6月5日日曜日

OSAKAの魅力

たまに仕事で出張することがある。
出張した際には、空き時間に街中を散策するようにしている。
散策に要する費用は、どこかの知事と違って、もちろん自費である。
以前、出張の際に散策した大阪の魅力について書いてみるw

空き時間ができたので、大阪のオフィス街である中之島へ向かった。
中之島には、淀屋橋をはじめ、多くの歴史的な建造物がある。
一度、時間をかけて散策したいと思っていた。
到着するとカフェに入り一休み、目の前には大阪市役所がある。

手前の川は土佐堀川で、「水の都」ともいわれる大阪らしい風景だった。
土佐堀川と市役所の間は、洒落た遊歩道になっている。
訪れた日もテレビのロケが行われていた。
市役所の横には、重厚な造りの中之島図書館があり、なかなか見ごたえがあるw

市役所の向かいには、日本銀行大阪支店がある。
歴史を感じさせる威厳ある建物である。
細部の意匠は凝っており、こちらも見ごたえがある建物である。
もちろん、早く低金利を止めんかいと、心の中で叫んだのはいうまでもないw

日本銀行大阪支店の土佐堀川を挟んだ向かいには小さな緑地がある。
歩いていると、何かの碑があった。
近づいてみると、江戸時代の豪商、淀屋の碑だった。
碑に書いてある内容を読んで、「銘柄を明かさない理由」のネタにしようと思ったw

淀屋の碑の近くには、三井住友銀行大阪本店がある。
自身は、わずかだが三井住友フィナンシャルグループのタダ株を保有している。
現在、6%を超える配当を頂いている。
タダ株と配当をありがとうと感謝しつつ、中之島を後にしたw

第1子出生に潜むリスク

自身には大学生の娘がいるが、すでに学費は用意できている。
住宅ローンも一括完済しているので、今後の貯蓄は全て余裕資金となる。
周囲には自身より年上なのに、中学生や高校生の子どもがいる人がいる。
なかには定年後に、子どもが大学受験する人もいるw

厚生労働省の平成27年人口動態調査の調査結果がある。
調査結果によると、第1子出生時の母親の平均年齢は年々、高齢化している。
昭和50年には25.7歳だったが、平成27年には30,7歳になっている。
第1子大学卒業時の母親の平均年齢が、47.7歳から52.7歳になったことになるw

もし主人が10歳以上年上であれば、定年後も学費を払わなくてはならない。
つまり定年までに、学費と老後資金を並行で用意しなくてはならないことになる。
第1子出生では、母親の年齢に伴う身体的リスクが取りざたされることが多い。
だが自身は、世帯主の年齢に伴う経済的リスクも重要ではないかと思っているw

銘柄を明かさない理由R75 大阪から来た男(後編)

第75話 大阪から来た男(後編)

無敗のクイーンが振り向くと、そこにはアルカディアメンバー10名全員が揃っていた。
テンはどこから持ってきたのか、掃除用のモップを持って、淀屋を睨んでいる。
どうやら受付の女性社員が、アルカディアメンバーに召集をかけたらしい。
「ワ、ワテは何も悪いことしてまへん、な、なんですの、この状況は」

総務部に勤める女性社員がいった。
「当社のIRについてお知りになりたいのであれば、私がお答えいたします」
経理部に勤める女性社員がいった。
「当社の詳細な財務内容をお知りになりたいのであれば、私がお答えいたします」

広報に勤める女性社員がいった。
「当社のマーケティング戦略をお知りになりたいのであれば、私がお答えいたします」
相変わらず、テンは掃除用のモップを持って、淀屋を睨み続けている。
頼もしい奴らだ、アルカディアメンバーを見ながら、無敗のクイーンは思った。

「ワテが聞きたいのは資産を運用する際の判断基準でんがな。
誰がいつ、どのように判断しとるかっちゅうことですわ」、淀屋がいった。
「ここにいる10名が判断している」、無敗のクイーンが答えた。
淀屋は目を見開きいった、「ウソでっしゃろ」

「ウソではない、ここにいる10名は我が社の精鋭トレーダーだ」、無敗のクイーンがいった。
「運用する際の判断基準はあるんでっか」、淀屋がいう。
「我々には独自の判断基準がある」、無敗のクイーンはいった。
「具体的な判断基準を教えてもらへまへんか」、淀屋がいう。

置かれた運転免許証を手にとり一瞥すると淀屋に返し、無敗のクイーンはいった。
「判断基準は、無敗の個人投資家たちの売買データだよ。
我々は彼らの売買データを元に、判断し運用を行っている」
最後に無敗のクイーンは淀屋を本名で呼び、回答に満足したか確認した。

淀屋は愛嬌のある笑顔になり、いった。
「おおきに、東京まで来た甲斐がありましたわ。
でも、なんで初対面のワテにそこまで教えてくれたんでっか」
「知られたところで、我々が無敗であることは変わらない」、無敗のクイーンはいった。

「おおきに、大阪へ来ることがあったら、いつでも連絡しとくんなはれ。
歓迎しますよってに」、淀屋は連絡先を書いたメモを残し帰っていった。
テンがいった、「あの人、イケメンの芸人さんに似てますね」
皆から、タイプなんですかと冷やかされ、テンは耳まで真っ赤になった。

2016年6月4日土曜日

銘柄を明かさない理由R74 大阪から来た男(中編)

第74話 大阪から来た男(中編)

無敗のクイーンはランチを終えて、会社に戻ってきた。
最近、テンは弁当を作ってくるようになった。
奴の家柄からして、いつまでも独身というわけにはいかないだろうからな。
奴には奴の人生がある、その時がくれば応援してやろう。

無敗のクイーンが、受付の前を通りがかったときだった。
受付カウンターの前に、身なりのさえない男がいた。
受付の女性社員は、アルカディアメンバーだ。
その彼女が困惑した様子で、身なりのさえない男とやり取りしている。

変な来客に対応するのも受付の仕事だ、頑張れよ。
心の中でエールを送ったとき、無敗のクイーンはあることに気づいた。
その男の身なりはさえないが、最高級の靴を履いていた。
あまりにもギャップのある男に、無敗のクイーンは関心をもった。

「そうやな、自社の資産を運用する際の判断基準を教えてもらおか」と男がいった。
「お待ちください」受付の女性社員は総務部への内線に手を掛けようとしていた。
「資産を運用する際の判断基準を聞きたいのか」
無敗のクイーンは男に声をかけた。

「その通りでんがな、それこそがワテが聞きたいことですねん。
えらい別嬪さんやけど、ワテが聞きたい判断基準をご存知なんでっか」と男がいう。
受付の女性社員が目で、大丈夫ですかと聞いてくる。
無敗のクイーンは目で、大丈夫だと返しておいた。

無敗のクイーンは、男を応接コーナーに案内した。
男は浪花の相場師で、皆から淀屋と呼ばれているといった。
淀屋か宿屋か知らないが、見たことも、聞いたこともない。
自己紹介ができるようになってから出直すよう、無敗のクイーンはいった。

「しゃあないな」、淀屋は懐から二つ折りの財布を取り出した。
財布から運転免許証を取り出すと、無敗のクイーンの前に置いた。
「ワテの身分証明ですわ、これで、どこのどいつかおわかり頂けますやろ」
ふと無敗のクイーンの背後を見た淀屋の顔が固まった。

無敗のクイーンが振り向くと、そこにはアルカディアメンバー10名全員が揃っていた。
テンはどこから持ってきたのか、掃除用のモップを持って、淀屋を睨んでいる。
どうやら受付の女性社員が、アルカディアメンバーに召集をかけたらしい。
「ワ、ワテは何も悪いことしてまへん、な、なんですの、この状況は」

赤字会社の投資信託

世界に分散投資するが謳い文句で、なんたら大賞を受賞している人気の投資信託がある。
自身は個別株にしか投資したことがないし、これからも個別株オンリーである。
もし自身が投資信託を買うとしても、絶対にこの投資信託は買わない。
なぜなら、投資先の企業として見た場合、倒産もしくは廃業のリスクが高いからであるw

この投資信託を販売する会社は、設立されて10年ほどの社歴の浅い会社である。
社歴が浅くても、儲かっていればよい。
ところが、この販売会社は儲かっていない。
毎年の利益剰余金が10億円近いマイナスの赤字会社なのであるw

この投資信託の直近1年のリターンは、マイナス10%を超えている。
長期で積立てをすれば、リターンはプラスに転じるかもしれない。
だが毎年、赤字の会社が、長期間、存続するとは思えない。
自身は赤字会社に投資したことはないし、投資する人の心境が理解できないw

「議決権行使のお願い」に思う

自身が株主になっているある企業からは、株主総会前にあるハガキが届く。
「議決権行使のお願い」で、自社の社長名で株主へ向けて送られてくる。
自身はわずか10,000株しか保有していないが、ハガキが送られてくる。
この企業は日本有数の大企業であり、知らない人はほとんどいないw

社員の平均年収は高く、ましてや社長の年収ともなると想像もつかない。
その社長から、自身の元に丁寧なお願いのハガキが届くのである。
資本主義において、最も高位にあるのは資本家、すなわち株主である。
株主は企業に出資し、出資した企業から見返りを得るw

自身は無敗の相場師で、株を買えば必ず利益を出してきた。
しかも自身は保有期間が、最低でも1年以上の超長期保有の株主だ。
自身が保有しているということは、長期的には必ず株価が騰がるということでもある。
自身が株主になっている企業には、感謝してもらいたいものであるw

2016年6月3日金曜日

銘柄を明かさない理由R73 大阪から来た男(前編)

第73話 大阪から来た男(前編)

都内にあるアルカディアを有する証券会社。
ある日の昼下がり、受付に身なりのさえない男が現れた。
「いらっしゃいませ、アポイントはおありでしょうか」
受付の女性社員がにこやかに応対する。

「アポイントなんて、あるわけおまへん。
この会社のことが気になったんで、わざわざ大阪から出向いてきたんですわ。
この会社のことについて、教えてくれまへんか」と男はいった。
受付の女性社員は咄嗟に思った、この男アブナイ奴かもしれないと。

「申し訳ございませんが、アポイントのないお客様のお取次ぎは致しかねます」
「なに、いうてんねん、ほな、あんたでええわ、この会社のこと教えてんか」
「どのようなことをお知りになりたいのでしょうか」
「そうやな、自社の資産を運用する際の判断基準を教えてもらおか」

このような来客があった際、総務部へ取り次ぐことになっている。
「お待ちください」受付の女性社員が内線に手を掛けようとしたときだった。
「資産を運用する際の判断基準を聞きたいのか」
通りがかった無敗のクイーンと呼ばれている女性社員が男に声をかけた。

「その通りでんがな、それこそがワテが聞きたいことですねん。
えらい別嬪さんやけど、ワテが聞きたい判断基準をご存知なんでっか」
「教えてやらんでもない、だが確認したいことがある」
「なんでも聞いてもらって、かましまへん」、男はいった。

無敗のクイーンは、男を応接コーナーへ案内した。
応接コーナーで2人になると、無敗のクイーンは社員証を提示、自己紹介した。
「すんません、今は名刺を切らしてまして、ワテは単なる一庶民ですわ」
「貴様は名無しなのか、自己紹介もまともにできないのか」無敗のクイーンがいう。

男の顔が一瞬、凍りついたが、すぐに元に戻った。
「はっきりいう別嬪さんでんな、ワテは浪花の相場師、皆からは淀屋と呼ばれとります」
「で、自己紹介は」、無敗のクイーンがいう。
「わからんお人やなあ、淀屋と名乗りましたやん」

「淀屋か宿屋か知らないが、まともに自己紹介も出来ない奴に話すことはない。
自己紹介ができるようになってから、出直すことだ」、無敗のクイーンは席を立った。
「気が短いお人やな、ほんまに淀屋をご存知ないんでっか」
「見たことも、聞いたこともない」、無敗のクイーンはいった。

子どもは親を選べない

本ブログでは、テレビネタなどは扱わないことにしている。
だが、昨夜の「クローズアップ現代」が、あまりにも衝撃的だったので書いてみる。
番組のテーマは、「奨学金で一家破綻」だった。
奨学金を返済できず自己破産する社会人が増えている、と番組は始まった。

自己破産した社会人の高齢の父親が出てきた。
連帯保証人になっているため、数百万円の奨学金を肩代わりしなくてはならないらしい。
父親は収入がなく途方にくれていたらしく、下記のコメントをした。
「(奨学金は)子どもが借りたいというから」、「返せないのに貸す方がわるい」

自分の生活が苦しくなったのは、子どもや貸した人のせいだといわんばかりだった。
子どもは望んで自己破産したのでなく、自己破産せざるを得なかったのである。
元はといえば、子どもの学費を用意できなかった親の責任、いわば自業自得である。
見終わって、「子どもは親を選べない」という言葉が頭をよぎったことはいうまでもないw

2016年6月2日木曜日

サラリーマンの小遣いに唖然とした話

新生銀行が実施した「2015年サラリーマンのお小遣い調査」を読んだ。
20代から50代の有職者の男女約2,300名を対象に実施された調査らしい。
男性会社員の小遣い額は37,642円、女性会社員の小遣い額は34,468円。
数十万単位で株の評価損益額が増減することもある自身は、あまりの少なさに唖然としたw

しかも、小遣いの使いみちには、昼食代も含まれている。
男性会社員の一日の昼食代は601円、女性会社員の一日の昼食代は666円。
仮に1ヶ月の実働が22日とすると、昼食代だけで13,000円ほどが必要になる。
つまり、1日あたり1,000円ほどしか自由に使える金がないのであるw

だが男性会社員の17.8%は、1ヶ月あたり約3万円強の副収入があるらしい。
順位は「ポイント・アンケートサイト」、「株式投資」、「アルバイト・副業」
女性会社員もほぼ同様の傾向らしい。
副収入のある人はいいが、ない人は悲惨だw

1日あたり1,000円ほどの子どもの小遣い程度しか自由に使える金がないのである。
しかも既婚男性会社員の3人に2人が、給料の全額を家庭に入れている。
最も家計に貢献している主人の3人に2人が、子どもと同じ小遣い制なのである。
既婚男性会社員が哀れを通り越して、滑稽にさえ思えてくる調査結果だったw

2016年6月1日水曜日

個人投資家に有益な情報源

「総悲観は買い」という相場格言がある。
当たり前のことで、誰もが弱気のときに買いなさいという教えである。
ところが総悲観のときに買える個人投資家は驚くほど少ない。
自身の経験からすると、おそらく100人中数人ではないだろうかw

個人投資家に有益な情報は、個人投資家たちの株式投資ブログだ。
彼らのブログの更新頻度や内容を見れば、今が総悲観なのかがわかる。
ちなみに投資信託のみのブログは何の参考にもならない。
なぜなら、投資信託は株ではなく、金融商品だからであるw

個人投資家の株式投資ブログの多くが弱気になったときが、総悲観の状態である。
株式評論家の当てにならない相場予測より、彼らのブログの方がよほど信用できる。
逆も然りで、彼らのブログの多くが強気になっているときは買ってはいけない。
誰しもが楽観的になっており、直近の天井が迫っているときだからであるw