2016年9月29日木曜日

【祝!ブログ2周年】今後のブログについて

遅ればせながら、本ブログは2周年を迎えた。
投稿数も、いつの間にか1,000を超えていた。
おそらく同じような内容の投稿が、数多くあるはずだ。
誤字や脱字になると、天文学的な数字になるかもしれないw

私的なブログにも関わらず、毎日、一定の読者が訪問してくれている。
もし本ブログが読者の役に立っているのなら、ありがたいことである。
家計管理や貯蓄、株式投資による資産運用や投資手法。
年頃の娘の取り扱い説明、娘の彼氏のニックネームのつけ方などw

本ブログの基本方針に変更はない。
株に関すること、日々の生活などを配信していく。
アドセンスなどの広告を掲載することはない。
なぜなら、自身には株の利益があり、広告収入は必要ないからであるw

銘柄を明かさない理由R142 父と娘の思い

第142話  父と娘の思い

銀座の高級クラブでの面接を終えた帰り道。
調査会社に勤めている女性社員は、明かりのついたビルを見ながら思った。
父は休みの日には、家族をよく遊びに連れて行ってくれた。
潮干狩りに、海水浴、テーマパーク、年に数回の海外旅行。

ある日、父の勤めていた大手証券会社が破綻した。
まもなく両親は離婚し、学校でいじめられるようになった。
だが、いじめを受けていることを、母にも先生にも相談できなかった。
皆から羨ましがられるようなことをしてきた自分が悪いんだと思っていた。

ある日、大きな男の人が現れた。
大きな男の人は、一緒にいじめに立ち向かってくれた。
後でわかったことだが、大きな男の人はいじめの事実を公にしてくれた。
大きな男の人は、いじめに立ち向かった私を最後まで気にかけてくれた。

あれ以来、大きな男の人は現れなかった。
当時は気づかなかったが、今ならわかる。
あの大きな男の人は娘を何とかしてくれと、父から頼まれたのだろう。
父は今、どこで何をしているのだろう。

アルカディアを有する証券会社の社長は、社長室にいた。
社長室の机には、かって家族だった3人が写った写真がある。
破綻した大手証券会社で、社内一の美人といわれていた元妻。
元妻の横で愛らしく笑う我が娘、海外旅行での思い出の写真だった。

勤めていた大手証券会社が破綻した。
株の世界で一から出直すといったら、元妻が反対し離婚することになった。
元妻が引き取った1人娘の様子を、ときおり見ていた。
ある日、娘の様子がおかしいことに気づいた。

当時、社長だった今の会長に、娘に何があったのか聞いてもらった。
娘は学校でいじめられていた。
会長は娘とともに、いじめに立ち向かってくれた。
しかも信じられないことに、当時の社員を総動員してくれた。

会長、あのときのご恩は生涯、忘れません。
あなたの創業したこの会社、わたしは成長させ続けます。
会長の会社には、アルカディアメンバーをはじめ、優秀な人材が揃っています。
いつの日にか、必ず天下をとるので、その日を楽しみにお待ちください。

2016年9月28日水曜日

毎月1000万円以上使う娘

最初に見たときは、目を疑った。
先月、初めて1000万円超えた。
今月は1200万円を超えた。
娘のパケット通信料であるw

娘に聞くと、Wi-Fi設定をしていなかったらしい。
我が家は無制限定額プランのため、驚くべき通信料になったようである。
定額プランなので、パケット通信料は同額がマイナスされる。
1200万円を超える金額が計上されたあと、同額がマイナスされているw

しかも娘は保証サービスを使い、壊れたスマホを新品にした。
立て替え払いした代金は、分割で月々の請求金額から引かれる。
結局、娘の請求金額は数百円である。
請求書を作っている人は、空しくならないのだろうかと思うw

2016年9月27日火曜日

銘柄を明かさない理由R141 ゴールデンクロス(後編)

第141話 ゴールデンクロス(後編)

銀座にある高級クラブのホステス、ウィッグの女は出勤途上だった。
ゴールデンクロスが近いと察知していたウィッグの女は、すでに大量の株を仕込んでいた。
ついに、ゴールデンクロスが現れたわ、本当、株ほど簡単なお金儲けはないわね。
株を教えてくれた先生に感謝しなくちゃね、ウィッグの女は1人で笑いそうになった。

店へ出勤すると、黒服のボーイが寄って来ていった。
「マネージャーが事務室へ来て欲しいとのことです」
何かしら、ウィッグの女は事務室へ向かった。
ノックをして事務室に入ると、キツネに似たマネージャーと見知らぬ女性がいた。

「どうしたの、マネージャー」、ウィッグの女が聞く。
「どうしても、ウチで働きたいっていう女の子が来たんだ。
業界未経験なので、お断りしたんだが諦めてくれないんだよ。
君からうまくいってくれないかなと思ってね」、キツネに似たマネージャーがいう。

またか、ウィッグの女は思った。
この業界、憧れだけでやっていけるほど甘くない。
しかも未経験でいきなり、この店に来るとは。
世間知らずもいいとこね、ウィッグの女は思った。

ウィッグの女はマネージャーの横に座ると、女性を見た。
整った気品のある顔立ちだわ、でも業界では平均点というところかしら。
わるいけど容姿だけでは不採用ね。
ウィッグの女は、女性の履歴書を手に取った。

女性は都内の聞いたこともない会社に勤めていた。
志望動機は、ありきたりの「この業界で自分の可能性を試してみたい」だった。
頭脳明晰なウィッグの女は、ふと学歴が気になりたずねた。
「なぜ、名門の私立校から公立校へ変わったの」

「父が勤めていた証券会社が破綻して、学費が払えなくなったんです」、女性がいった。
「お父さんは、その後、どうしたの」、ウィッグの女が聞く。
「父と母はまもなく離婚しました、それから母と2人暮らしです。
父の消息はわかりません」、女性がいった。

この女、おもしろい、ゴールデンクロスとともに現れたのも、何かの縁かもしれないわ。
ウィッグの女がキツネに似たマネージャーにいった。
「なかなかの過去を持っているみたいだし、試しに使ってみてあげてもいいんじゃない」
ウィッグの女の一言で、都内にある調査会社に勤める女性社員の採用が決まった。

女友達からの指摘に思ったこと

本ブログは私的なブログのため、読者は少ない。
開始時のPV数は2桁、おそらく自身の友達や娘だけだったと思う。
先日、女友達からLINEが来た。
「銘柄を明かさない理由R」に誤字があるという指摘だったw

「銘柄を明かさない理由R」は、自身のオリジナル小説である。
「ロイヤルストレートフラッシュ」と呼ばれる5人の相場師ととりまく人々の物語である。
いつの日か、自費出版したいと考えている。
女友達には無償で配布、男友達には高額で売りつけたいと考えているw

女友達からのありがたい指摘に、すぐに誤字を訂正、お礼のLINEを返した。
ふと、以前に送られてきた、その女友達からのLINEを思い出した。
「銘柄を明かさない理由の隠れファンです」
自身はファンであることを隠さなくてはいけない小説を書いているのだろうかw

2016年9月26日月曜日

銘柄を明かさない理由R140 ゴールデンクロス(中編)

第140話  ゴールデンクロス(中編)

都内のある調査会社に勤める男は依頼先との打ち合わせが終わり、帰社していた。
ようやく、ゴールデンクロスが出現した。
これから上昇相場が始まる、これからの買いはなしだ。
あとはいつ元本引き上げの売りをするかだな、男は思った。

帰社した男に、女性社員が声をかけた。
「社長がお呼びです、今すぐ社長室へ来てくださいって、また何かよくないことされました」
「いつもいっているだろう、心当たりは山ほどあると」
笑う女性社員を残し、男は社長室へ向かった。

社長室に着いた男は、軽くノックをした。
「入りたまえ」、男が社長室に入ると、社長は窓の外を見て、しばらく黙っていた。
「遠慮は要らん、掛けたまえ」、太った貫禄ある社長が振り向きながらいう。
とっくに、男はソファに座っていた。

「また、す、座っていたのか、まあいい」、社長がバツがわるそうにいった。
「また仕事の依頼ですか」、男はたずねた。
「ああ、そうだ、我が社のお得意様を通じての依頼だ」、社長がいう。
「依頼主と調査内容を教えてもらえますか」、男が聞いた。

「我が社のお得意様は、世界有数の保険法人だ。
そこを通して、大手の外資系証券会社から依頼があった」、社長がいう。
「大手の外資系証券会社からの依頼ですか」、男がいう。
「そうだ、しかも金に糸目はつけないらしい」、社長は嬉しそうにいった。

社長が話した依頼内容は以下だった。
著名な株式評論家が、銀座の高級クラブでホステスに薬物らしいものを飲まされた。
連れの男が別のホステスに店外へ呼び出された間に、意図的に行なわれた。
誰の仕業なのか調べて欲しいという依頼内容だった。

「もし薬物を飲まされたのが事実なら、警察へ届け出た方が話は早い」、男はいった。
「そうはできない何らかの事情があるのだろう」、社長がいう。
「仕方ありませんね、どうせ断れないんでしょう」、男がいう。
「当たり前だ、お客様は神様だからな」、社長が笑いながらいった。

席へ戻った男に女性社員が声をかける。
「何かお手伝いできることがあったら、何なりと仰ってください」
「今回ばかりは、君の助けが必要になるかもかもしれない」、男がいう。
「わかりました、お力になれるよう頑張ります」、女性社員がいう。

2016年9月25日日曜日

銘柄を明かさない理由R139 ゴールデンクロス(前編)

第139話 ゴールデンクロス(前編)

株価が底値から上昇に転じると、短期線が上向きに転じる。
更に株価の上昇が続くと、中期線、長期線が上向きに転じる。
中期線が長期線を上回ることを、「ゴールデンクロス」という。
「ゴールデンクロス」は、上昇相場始まりのシグナルとされている。

都内の吹き抜けのアトリウムがあるオフィスビルの1室。
嗤う男は、背中に冷や汗が流れるのを感じていた。
「誰かに薬物のようなものを飲まされ、この場所を白状させられた話は本当か」
円卓の左側に座った男が無表情にいった。

「はい、銀座の高級クラブだったので、つい油断してしまいました」、嗤う男がいう。
「白状したのは、この場所だけか」、円卓の右側の男が聞く。
「お、おそらく、正直いって途中から覚えていないのです」、嗤う男がいう。
「一緒にいながら、お前は何をしていたのだ」、中央奥に座った男が問う。

「申し訳ありません、別のホステスから店外へ呼び出されたのです。
非常階段で身の上話を聞いていました。
テーブルに戻ると、先生はすでに意識を失っていらっしゃいました」
嗤う男の横に立つ年齢不詳の男が答える。

「あらかじめ、周到に用意された計画だったようだな。
誰の仕業か突き止めなくてはならない」、中央奥に座った男がいう。
「汚名返上の機会をいただけないでしょうか」、年齢不詳の男がいう。
「どう、返上するのだね」、円卓の右側の男が聞く。

「この手の調査を得意としている調査会社を知っています。
その調査会社を使って、誰の仕業か突き止めます」、年齢不詳の男がいう。
「失敗したら、後はないと思え」、中央奥に座った男がいう。
「かしこまりました」、年齢不詳の男と嗤う男は退室した。

「ついにゴールデンクロスが出ましたな」
円卓の左側に座った男が無表情にいう。
「計画は予定通りでよろしいでしょうな」
円卓の右側に座った男が、中央奥に座った男に聞く。

円卓の中央奥に座った男が不敵な笑みを浮べた。
「計画は予定通り、次のステージへ移行する。
今や相場は我らの意のままだ。
今回のゴールデンクロス、多くの者にとって終わりの始まりになるだろう」

株式投資のBGM

自身は土曜日に買い物などを済ませ、近くのプールで泳ぐ。
日曜日は安息日として、基本的に自宅で過ごす。
本を読んだり、ネットの相場に関する記事を読んだり、動画を観たりしている。
観る動画は、そのときの株式投資状況に大きく影響を受けるw

株を仕込む際には、自然と勇ましい曲の動画になる。
進撃の巨人の「紅蓮の弓矢」、エヴァンゲリオンの「残酷な天使のテーゼ」
サイボーグ009の「誰がために」などなど。
アニメ以外では、Perfumeの「FLASH」などを観ることが多いw

現在、自身は株を仕込み終えている。
後は株価の上昇を待つだけである。
そんなときに、よく観る動画は下のような動画である。
自身は日本人相場師なので、「相場師スタイル」として聴いているw

【祝!ゴールデンクロス達成】上昇相場が始まる

自身はファンダメンタルズとテクニカルを併用している。
株式投資において、チャート分析であるテクニカルは欠かせない。
テクニカルの重要な指標が、「ゴールデンクロス」である。
「ゴールデンクロス」は、上昇相場に入ったことを示すシグナルであるw

過去の経験則では、株価が底入れから上昇に転じると、まず短期線から上向きに転じ、株価の上昇が続くに従って中期線・長期線が上昇基調に転じます。そして、それまでは上から長期線、中期線、短期線となっていたものが、上から短期線、中期線、長期線の順番に入れ替わります。
この過程で中期線が長期線を下から突き抜けることを「ゴールデンクロス」といい、上昇相場に入ったことを示すシグナルとして利用されています。(日本証券業協会ホームページより)

先週、2年2ヶ月ぶりに「ゴールデンクロス」が現れた。
ちなみに本ブログは先週、開始2周年を迎えた。
くしくも本ブログ開始2周年と時同じくして、「ゴールデンクロス」を達成したのである。
下記の記事にあるように、「ゴールデンクロス」は全勝パターンであるw

(前略)日経平均の13週移動平均線と26週線は2年2カ月ぶりにゴールデンクロス(GC)を達成。新たな先高シグナルが灯(とも)った。(中略)
2008年9月のリーマン・ショック以降、こうしたGCパターンを形成したのは今回を除けば計6回(09年5月、10年2月、10年11月、12年2月、12年10月、14年7月)。さらに遡(さかのぼ)って03年以降の分までもカウントすると11回。すべてのケースで日経平均はGC達成後、少なくとも1-2カ月間、最長では11カ月程度にわたって上昇基調をキープしている。この限りでは、まさに全勝パターンだ。
ちなみに、前回、GCを達成した14年7月第2週時点で1万5100円台だった日経平均は一時的な下ブレを挟みつつ、翌春にかけてスケールの大きい上昇相場を繰り広げた経緯がある。15年6月に2万868円高値を付けたあとの長期調整による下値鍛錬局面を経て、今回も「復権相場」へ踏み出す契機になるだろう。(モーニングスター24日付「株式週間展望」より)


私的なブログにも関わらず、本ブログを訪れてくれる読者がいる。
賢明な読者の方々は、すでに仕込み終えているだろう。
もし、仕込み終えていないのなら、今からでも遅くはない。
9月の権利落ち日以降、外国人や機関投資家が手放す割安株を買ってやればいいw

くれぐれも投資は自己責任でお願いします。

2016年9月24日土曜日

朝帰りした娘の昼ごはん

娘の好物はオムライスである。
今まで、何度、オムライスを作らされたかわからない。
以前、「カレーライスの女」という曲があった。
もし、娘のテーマ曲を作るとしたら、「オムライスの女」だと思っているw

昨夜、娘は友達とオールナイトで遊び、朝帰りした。
昼頃に起きてきて、「お腹空いた、オムライス作って」である。
ご存知の方も多いだろうが、オムライスは手間がかかる。
チャーハンなら作ってやるといったが、オムライスで押し切られたw

今日が賞味期限の具材をカットし、炒める。
レンジで温めたごはんを投入、炒め終わったらケチャップで味付け、皿に取る。
フライパンを軽く洗って、ふわとろタマゴを作り、ケチャップライスに乗せる。
最後にケチャップで「不良」と書いて完成、娘は美味しいといいながら完食したw

お宝保険でやりたいこと

娘の保険は都道府県民共済だが、自身は定期付終身保険である。
30年で約60万円を払い込めば、死亡・高度障害のときに200万円が支払われる。
しかも、予定利率を上回れば、配当があり、現在までの配当は30万円以上になる。
予定利率が高かった時期の保険、俗にいうお宝保険であるw

保険金を受け取る家族にとっては、確かにお宝保険かもしれない。
だが生きているときや健康なときには使えないため、自身にはお宝でも何でもない。
ということで、自身はお宝保険の200万円は、全額葬儀代に使ってもらう予定だ。
生前に200万円の使い方を書いた遺言状を作成しておくのであるw

今、考えている案は、遺灰の一部は証券界の守り神である兜神社境内に撒いてもらう。
残りの遺灰は米国へ空輸し、ウォール街の上空で撒いてもらう。
外国人投資家たちの頭上に、自身の遺灰を降り注ぐのである。
問題は、ウォール街上空で遺灰を撒く許可が下りるかであるw

結婚とは自由を失うこと

自身の娘は大学生である。
娘はスーパーとパン屋のバイトを掛け持ち、毎月6万円前後を稼いでいる。
バイト代は服や化粧品の購入、ライブや遊びにと自由に使っている。
大学生になって渡した40万円入りの口座の残高は、今も40万円であるw

昨夜も友達とオールナイトで遊び、朝帰り、昼になったら起こしてといい寝ている。
まるで水商売の女性のようである。
先日は、1人暮らしをしている彼氏の家にお泊り、翌日、帰宅した。
おそらく、2人で一晩中、しりとりかすごろくでもしていたのだろうw

自身の周囲の既婚女性は、子どもが生まれると、子どもを預けて働いている。
聞いたことはないが、自分のために毎月6万円も使っているようには見えない。
結婚しない人が増えているが、理由がわかるような気がする。
だが自身は1人をエンジョイしたいので、娘が適齢期になれば追い出す所存であるw

2016年9月23日金曜日

給与に感じる違和感

自身の給与が振り込まれるのは、生活費用口座である。
給与が振り込まれると、生活費用口座に一定額を残し貯蓄用口座へ移動している。
一昨日、自身の保有する株の評価額は100万円近く増えた。
今日、振り込まれた給与の額を見て、いつもにもまして違和感をもったw

振り込まれた給与の額は、数十万円である。
同年代の会社員と比較して、少ない額ではないと思う。
だが、一昨日に増えた株の評価額には及ばない。
1ヶ月働いて得た給与より、1日で増加した株の評価額が上回っているのであるw

会社員には、給与以外に年金などの様々な優遇があることはわかっている。
自身は数万株を保有しているため、給与以上の額が増減することが多い。
もちろん、自身より多くの額が増減する人は多くいる。
だが、自身は口座移動してから駅へ歩く道で、いつも違和感を感じてしまうのであるw

銘柄を明かさない理由R138 You spin me round(後編)

第138話 You spin me round(後編)

その頃、淀屋と付き合っているモップちゃんこと無敗のテンは、1人考えていた。
リーダー、何かあったのかしら、社長室へ呼び出されるなんて。
もし運用成績のことで呼び出されたのなら、わたしにも責任がある。
いても立ってもいられなくなったテンは、席を立ち社長室へ向かった。

社長室のあるフロアへ着いたテンは、社長室に入る男を見た。
えっ、今のは淀屋さん、なぜ淀屋さんが社長室に。
淀屋さんが来るなんて聞いてない、テンの頭は混乱した。
しばらく考えた末に、テンはある結論を出した。

リーダーと淀屋さんが結婚することになり、偉い人に仲人をお願いしに来たんだわ。
そうだわ、そうとしか考えられない。
わたしというものがありながら、よりによってリーダーと二股かけていたのね。
こればかりはガマンできないわ、テンは意を決して社長室へ向かった。

「ちょっと、お待ちください、来客中です」
受付の前を、鬼のような形相で通り過ぎようとするテンに社長室秘書がいった。
「来客とは顔見知りよ、この花瓶借りるわよ」
テンは受付カウンターの花瓶を手に取ると、社長室のドアを開けた。

社長室に入ると、中にいた全員がテンを見た。
リーダーと淀屋は、並んでソファに座っていた。
2人の前のソファには、大きな男の人が座っている、おそらく仲人を頼んでいる人だ。
「やはり仲人を頼んでいたのね」、驚く淀屋の頭上でテンは花瓶を逆さにした。

1時間後、アルカディアにいる無敗のクイーンのところへ社長がやってきた。
「あの女性社員へのお咎めはなしだ、安心しろ」
無敗のクイーンは席を立ち、頭を下げていった。
「申し訳ありませんでした、わたしの管理不行届きでした」

「済んだことだ、会長は事情を聞くと、快く笑って許してくださったよ。
ところで、あの女性社員と淀屋氏はどこだ」、社長がたずねる。
「服を何とかするといって、淀屋氏を連れて早退しました」、無敗のクイーンがいう。
「浪花の相場師も、彼女の前ではただの男か」、社長は笑いながらいった。

同じ頃、都内の高級住宅地にあるテンの自宅。
「この娘が男の人を連れてきたのは初めてなんですよ、ゆっくりしていってくださいね」
料理本を見ながら悪戦苦闘しているテンの横で、テンの母親が笑いながらいう。
何でこうなんねん、タクシーで連れてこられた淀屋は居心地悪そうにソファに座っていた。

2016年9月22日木曜日

娘の恋愛における基本方針

娘は、今の彼氏が6人目の彼氏らしい。
昨夜、娘は彼氏の家にお泊りである。
自身は、娘が選んだ彼氏が人間であれば反対はしない。
事前にいってくれれば、お泊りや旅行もOKであるw

娘が中学生の頃から、いってきた。
男の子と付き合うのは反対しない。
ただし、子どもだけは作るなよ、である。
なぜなら、自身がおじいさんになりたくないからであるw

自身は、結婚は人生最大の投資だと考えている。
恋愛において重要なのは、株式投資と同じで経験を積むことである。
経験を積み重ねることによって、相手を見る目が養われるのである。
今、自身は、娘の恋愛を暖かく見守っているw

日銀の金融政策に思う

昨日、日銀の金融政策決定会合で長期金利目標が決まった。
長期金利が大幅なマイナスにならないよう、現状の0%程度を維持するらしい。
これにより、保険や年金の運用利回りが上昇、金融機関の収益改善が見込まれる。
金融機関にとっては救済策ともいえ、金融株にとっては追い風となるw

昨日だけで、保有株の評価額は100万円近く増加した。
先日も書いたように、年末へ向けて相場はゆるやかに上昇するだろう。
上昇、下落とも、突然、始まるのが相場である。
だが優良成長企業の株が長期的に騰がり続けることは、歴史が証明しているw

自身は今年になってから、株を3度にわたり、買い増しさせてもらった。
2月のバレンタイン虐殺相場、6月の英国EU離脱ショック、7月のメガバンク年初来安値。
しばらくの間、これらの買値に株価が下がることはないだろう。
もしかすると、他の保有株の買値と同じように、買値になる日は来ないかもしれないw

銘柄を明かさない理由R137 You spin me round(中編)

第137話 You spin me round(中編)

「元気そうだな」と会長がいい、「おかげさまで」、無敗のクイーンが答える。
「資産は順調に増えているようだな」、会長がいう。
「ヒマじゃないので、本題を仰ってもらえますか」、無敗のクイーンがいう。
「か、会長に向かって、その態度はなんだ」、いつもは温厚な社長がいう。

会長が片手を上げて、社長を制する。
「実績を上げているのだ、責めるな」、会長がいい、社長は口を閉じた。
そのとき、社長室のドアがノックされた。
「来客の方がお見えになりました」、社長室秘書がいい、「通せ」と会長がいう。

社長室に入ってきたのは、イケメンの芸人に似た男、浪花の相場師こと淀屋だった。
「よく来てくれた、かけたまえ」、会長がいい、淀屋は無敗のクイーンの横に座った。
「なぜ、きさまがここにきた」、無敗のクイーンが淀屋にいう。
「相変わらずでんな、面白い話があるって呼ばれたからですやん」、淀屋は笑みを浮かべた。

「なんだ、2人は知り合いだったのか」、社長が聞く。
「ワテの理想のタイプやったんやけど、振られましてん」、淀屋が泣きまねしながらいう。
「それ以上いうと、後で叩きのめすからな」、無敗のクイーンが淀屋を睨みながらいう。
「どうやら、紹介する必要はないようだな」、会長がいい、本題を話し始めた。

「大手の外資系証券会社が株式評論家を使って相場を作っている。
株式評論家の推奨した株を買いあがる古典的なやり方だ。
ワシは持てる力の全てを使って、ふざけた奴らを叩き潰すつもりだ。
貴様らに何かしろとはいわん、ただの情報提供だ」会長がいう。

「アルカディアには、理想郷という意味があります。
誕生した時点で、アルカディアは既に理想郷なのです。
我々は理想郷を侵略しようとする者は、誰であろうと排除します」
無敗のクイーンは毅然といった。

「情報おおきに。
ワテらは世界に先駆けて、先物取引市場を作らせていただきました。
外国人が国内の相場を作るのは面白いことおまへんな。
ワテらはワテらなりのやり方を取らしてもらいますよって」、淀屋は笑みを浮かべていった。

その頃、淀屋と付き合っているモップちゃんこと無敗のテンは、1人考えていた。
リーダー、何かあったのかしら、社長室へ呼び出されるなんて。
もし運用成績のことで呼び出されたのなら、わたしにも責任がある。
いても立ってもいられなくなったテンは、席を立ち社長室へ向かった。

2016年9月20日火曜日

銘柄を明かさない理由R136 You spin me round(前編)

第136話 You spin me round(前編)

江戸時代、大阪に淀屋と呼ばれた豪商がいた。
淀屋は、全国の米相場の基準となる米市を設立し、米市で莫大な富を得た。
淀屋の米市で行われた米取引は、世界の先物取引の起源とされている。
やがて淀屋の財力を恐れた幕府により、淀屋は財産を没収された。

だが、あらかじめ暖簾分けをしていたことで、大阪の地での再興に成功する。
幕末になると、淀屋は討幕運動に積極的に加担する。
その後、ほとんどの財産を自ら朝廷に献上して、淀屋は表舞台から姿を消した。
大阪にある淀屋橋は、淀屋に由来していることは広く知られている。

淀屋の一族は、明治、大正、昭和の激動の時代をひっそりと生き抜いてきた。
商才により莫大な富を得た一族は、全国の土地を買い付けた。
今や、淀屋の一族は全国の主要都市に多くの土地を所有していた。
一族が所有する土地の評価額は、日本の国家予算に匹敵するともいわれている。

その日、東京駅のホームに降り立ったのは、淀屋初代本家13代目当主の男だった。
数日前、当主の男はある証券会社の会長から招待状を貰っていた。
会長は業界なら知らんもんはおらへん有名人や、出てこん訳にはいかんやろ。
いきなり顔出したら、モップちゃん驚くやろな、淀屋は改札へと歩き出した。

都内のある証券会社の資産運用を担当するアルカディア。
責任者である無敗のクイーンの内線が鳴った。
社長室秘書から、社長室へお越しくださいとの内線だった。
「社長室へ行ってくる」、無敗のテンに告げ、無敗のクイーンは社長室へ向かった。

何か相場で動きがあったのか、無敗のクイーンは思った。
社長室秘書は無敗のクイーンを見ると、社長室のドアをノックした。
「お見えになりました」、ドアを開け、社長室秘書がいう。
「入れ」、聞き覚えのある声がした。

無敗のクイーンが社長室に入ると、ソファには巨躯の男、会長が座っていた。
ソファの横には社長が直立不動で立っていた。
「遠慮は要らん、座るがいい」、会長がいう。
「失礼します」、無敗のクイーンはソファに座った。

「元気そうだな」と会長がいい、「おかげさまで」、無敗のクイーンが答える。
「資産は順調に増えているようだな」、会長がいう。
「ヒマじゃないので、本題を仰ってもらえますか」、無敗のクイーンがいう。
「か、会長に向かって、その態度はなんだ」、いつもは温厚な社長がいう。

もっと楽に生きてみないか

君は家族を養うために、仕事をしている。
会社では上司の顔色を伺いながら、仕事をしている。
今日も取引先から無茶な要求があり、残業しなくてはならなくなった。
住宅ローンや子どもの教育費を考えると、我慢して働かなくてはと君は思うw

休日には家族にせがまれて、混み合う行楽地へ出かける。
正直、一人でゆっくりできる時間が欲しい。
他の多くの家族連れを見て、君は思う。
自分は間違っていないとw

自身は株式投資で、住宅ローンを一括完済し子どもの教育費も確保した。
株主になっている大手企業からは、定期的に事業報告書が送られてくる。
大手企業のエリートサラリーマンたちは、自身たち株主のために働いてくれている。
大手企業の株主になるだけで、もっと楽に生きることができるのだよw

2016年9月19日月曜日

娘を見直した連休

三連休、娘はバイト三昧である。
娘は大学生になってから、バイトを始めた。
今は近所のスーパーでのバイトと、パン屋でのバイトを掛け持ちしている。
連休中はいつもより時給がよいことから、パン屋でバイトしているw

娘によると、連休中は人が多く、レジ待ちの行列ができるらしい。
ちなみに娘は連休が終わってから、遊び回る予定らしい。
人が遊んでいるときに働き、人が働いているときに遊ぶ。
まさしく「人の行く裏に道あり花の山」、さすが自身の娘であるw

パン屋は大型ショッピングセンターの中にあり、バイトでも従業員割引が使えるらしい。
一部の店舗以外は商品が割引で購入でき、飲食店では特典があるらしい。
娘のお気に入りのたこ焼き店では、特典としてジュースが無料でついてくるらしい。
もし、たこ焼き店で共食いしている女子大生がいたら、自身の娘かもしれないw

子どもを勝ち組にするのは親の責任

自身が高校生の頃、父親にいわれた言葉がある。
車を買ってやるから就職しないか、である。
丁重に申し出をお断りし、私立の理系大学へ進学させていただいた。
最初にいわれたときは、何いってんだ、コイツであるw

あとで父親に聞くと、年間100万円近い学費を払うのがきつかったらしい。
当たり前だが、大卒と高卒では選択肢の数が異なってくる。
父親は経済的事情で、中卒で働き始めた。
高校まで行かせれば、親の努めは果たしたと思ったのだろうw

今、自身の娘は私立の医療系大学の学生だが、卒業までの学費は用意できている。
しかも娘のバイト代と同額で、娘名義の株を購入、資産運用中である。
おそらく就職する頃には、結構な額になっているはずだ。
就職時に資産があれば、人生を選択する際に冷静な判断が可能になると考えているw

銘柄を明かさない理由R135 予知夢

第135話 予知夢

天使の笑顔をもつ男は、全焼した実家の焼け跡に立ち尽くしていた。
家族を全て失った、父も母も妹も。
都内の大学に進学せずに、自宅にいたなら助けられたかもしれない。
天使の笑顔をもつ男は地面に崩れ落ち、声を殺して泣き続けた。

「あら、誰かと思えば、お兄さま、何してらっしゃるの」、聞き覚えのある妹の声がした。
顔を上げると、制服姿の妹がにんまりした笑顔で立っていた。
「えっ、みんな、火事に巻き込まれたんじゃないのか」
天使の笑顔をもつ男は泣き濡れた顔でたずねた。

「ええっ、そんな話になっているの、ひどい誤報ね」、妹がいう。
「ということは」、天使の笑顔をもつ男が聞く。
「お父さんもお母さんも病院よ、命に別状はないって」、妹が笑顔でいう。
「そうか、よかった」、天使の笑顔をもつ男は安堵した。

「どこの病院だ、父さんや母さんに会いたい」、天使の笑顔をもつ男がいう。
妹の顔から笑みが消えた。
「おい、教えろよ、どこの病院だ」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「大事なことを伝えるから、よく聞いて」、妹がいう。

「敵は、まだ手の内を明らかにしていない。
このままだと、お兄さまたちは壊滅するわ。
目に見えるものを信じちゃいけない。
勝利のカギは、1人の男の子の手にあるわ」、妹が真剣な顔でいった。

「ちょっと待て、いきなり何の話だ、父さんと母さんはどこにいるんだ」
天使の笑顔をもつ男はいった。
妹の周囲が闇に包まれ始めた。
漆黒の闇の中、赤く光る目が天使の笑顔をもつ男を見ていった。

「今、聞いたことは忘れろ、ルールを守れない奴の戯言だ」
その声は、地獄の底から響いてくるような声だった。
「きさま、何者だ」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「我は死者を統べるもの」、赤い目がいい、闇が天使の笑顔をもつ男に襲いかかった。

天使の笑顔をもつ男は、大声をあげてベッドから飛び起きた。
「びっくりした、どうしたの」、ウィッグを外した女が驚いた顔で見ている。
「恐ろしい夢を見たような気がする」、天使の笑顔をもつ男はいった。
「忘れさせてあげる」、ウィッグを外した女は天使の笑顔をもつ男をベッドに押し倒した。

2016年9月18日日曜日

子育てにギモンをもった話

娘の今の彼氏は、ナットくんという。
実家が納豆が有名な県にあるので、納豆くん、略してナットくんである。
娘にナットくんは何人目の彼氏なのか聞いてみた。
娘いわく、今のナットくんで6人目だというw

先日、遠出して遅くなったとき、ナットくんの実家に泊めてもらったらしい。
そのときナットくんの母親に、よい育てられ方をしているといわれたらしい。
ナットくんの母親にいっておきたい。
自身が育てたのだから、よい育て方をしているに決まっているw

娘に近々、ナットくんのところにお泊りしてくるけどいいかと聞かれた。
娘がナットくんのところに泊まれば、炊事洗濯などの家事が楽になる。
1週間でも1ヶ月でも泊まってきて構わないぞといったら、娘にオイといわれた。
ふと思った、娘がカルイ女に育ってしまった原因は、自身にあるのかもしれないとw

家計が苦しい家にありがちなこと

テレビで家計が苦しい家を見るたびに思う。
家計が苦しい家は、物があふれていることが多い。
何が多いのだろうと思ってよく見ると、大きく分けて2つある。
1つはタンスやカラーボックスなどの収納、もう1つは子どものモノであるw

家に収納スペースが少ないのだろう。
部屋の中にタンスやカラーボックスなどが置かれていることが多い。
なぜ収納用品を購入して、収納しようとするのだろうか。
収納用品を買うから、必要のないモノを買ってしまい、家計が苦しくなるのであるw

子どもは成長していくため、その時期に必要なモノは決まってくる。
自身は娘に本は買い与えなかったが、毎週、図書館で本を借りてきた。
また、2人で暮らし始めてから、おもちゃやゲームを買い与えたことはほとんどない。
結果的に友だちと外で遊ぶようになり、おもちゃやゲームは必要なくなったのであるw

我が家では、娘の勉強机はリビングに置いている。
大学生になった今もリビングで勉強している。
結果的に人がいる図書館などでも、勉強に集中できるようになった。
また光熱費が安く上がるため、家計にとってもメリットがあるのであるw

銘柄を明かさない理由R134 21世紀少年(後編)

第134話 21世紀少年(後編)

中学生になった男の子は、パソコン部に入部した。
プログラミングの基礎知識を身につけた男の子は、株取引のシステムを作った。
安く買って、高く売る、安く買えなければ、更に買って安くしてから売る。
ふだん、男の子が行なっている取引を自動で行なうシステムだった。

アルキメデスと名づけられたシステムは無敵だった。
株価が下がり一定の条件になる度、買い増す。
ひとたび上昇に転ずれば、決して買うことのないようプログラムされていた。
祖父名義の取引口座の残高は増え続けた。

ある日、祖父のメールアドレスに1通のメールが届いた。
「選ばれた方へ」と始まるそのメールは、ある研究会への招待メールだった。
贈り主は、祖父名義の取引口座のある証券会社だった。
好奇心から、男の子は研究会にいってみることにした。

研究会の会場は、あるホテルだった。
「君、ここは大人の集まる場所だよ」、受付の男にいわれた。
「招待メールをもらったので来ました」、男の子はプリントアウトしたメールを見せた。
「どこで手に入れたのか知らないけど、未成年は入れないよ」、受付の男がいった。

「どうした」、男の子が振り向くと大きな男がいた。
「いや、この男の子が招待されたといっていまして」、受付の男がいう。
「おい小僧、貴様の取引口座名を教えろ」、大きな男が男の子に聞く。
男の子は祖父名義の取引口座名を答えた。

「まさか、あの取引口座が貴様のような小僧のものとはな。
イマドキの小僧は恐ろしいな、いいだろう、研究会への出席を許可する。
呼び名はそうだな、21世紀少年にでもするかな」
大きな男が笑いながらいった。

研究会の大人たちは、僕に優しく接してくれる。
いつもにこやかに学校での出来事を聞いてくれる、受付のおじさん。
会うたびに彼女はできたかと聞いてくる、ウィッグのお姉さん。
舞台のことになると、目をキラキラさせながら熱く語るおじさん。

あの大きなキングこと先生は、どことなく僕の祖父に似ている。
教えてくれるときは常に真剣、でも僕を見る目は優しい。
世の中には、いい大人もいれば、わるい大人もいる。
僕が大人になるときは、あの研究会の大人たちのようになりたい、いや、なってみせる。

2016年9月17日土曜日

銘柄を明かさない理由R133 21世紀少年(中編)

第133話 21世紀少年(中編)

2階の自室で、中学生の男の子はPCを起動させた。
1通のメールが届いていた。
誰からのメールだろう、メール画面を立ち上げた。
メールの贈り主はキングことKだった。

メールの内容は、指令ともいえる内容だった。
男の子は、引き出しから1冊のノートを取り出した。
ノートを開くと、株に関する様々なことが達筆で記されていた。
こんなメールが来たのは初めてだな、メモしながら中学生の男の子は思った。

男の子は小学生のときに、祖父母に引き取られた。
祖父は、母親の再婚相手とは違って優しかった。
退職して家にいた祖父は、よく株の取引をしていた。
ある年の夏休み、祖父はPCの画面を指差しながら、株のことを教えてくれた。

「いいか、ほんの少し頭を使うだけで働かなくても、お金が手に入るんだ」
その夏、祖父は株に関するいろいろなことを教えてくれた。
秋になり、祖父は病気で倒れ、入院した。
病室で最後が近いと思ったのか、祖父は孫にいった。

「机の引き出しに、わしのノートがある。
何もしてやれなかった、お前への餞別だ、ばあさんをよろしくな」
数週間後、祖父は静かに息を引き取った。
祖父の葬儀に、母親の再婚相手の男は来ず、母親はほんの少し顔を見せただけだった。

葬儀が終わって数日度、男の子は祖父の残してくれたノートを読んだ。
取引口座へのログイン方法、株価チャートの読み方などなど。
祖父の取引口座にログインした男の子は目を見張った。
ふだんは目にすることのない金額が表示された。

これだけお金があれば、もっといいところに住めるのに、男の子は思った。
その日の夜、祖母になぜ、引っ越さないのか聞いてみた。
「この家には、いろいろ思い出があるのよ。おじいさんが初めて買ってくれた家だしね」
祖母は懐かしそうにいった。

やがて、男の子は祖父の取引口座を使って、株取引を始めた。
男の子にとって、株はゲームだった。
安く買って、高く売る、安く買えなければ、更に買って安くしてから売る。
祖父名義の取引口座の金額は増え続けた。

運用中の私の資産はいくらか

現在、自身が保有している株は、数万株である。
相場が開いている日は、数万円から数十万円、株式評価額が増減する。
かといって、自身は都度、株式評価額を確認してはいない。
なぜなら、保有株を株式評価額ではなく、時価総額でみているからであるw

日々の株価は、その日に取引される価格にすぎない。
本来の企業価値を表すものが、1株あたりの純資産(BPS)である。
BPSの計算式は、純資産÷発行済み株式数。
つまり発行されている株の本来の時価(定価)なのであるw

自身が保有している数万株の、現在の株式評価額は約1500万円である。
だが本来の時価で計算すると、保有株の時価総額は3000万円を超える。
しかも優良成長企業であれば、毎年、時価は騰がり続けるのである。
年数%の配当をもらいながら、株価が本来の時価になるのを気長に待っているのであるw

銘柄を明かさない理由R132 21世紀少年(前編)

「20th Century Boy」 T-REX
Friends say it's fine(友だちがいうんだ、それは素敵だねって)
Friends say it's good(友だちがいうんだ、それはいいねって)
Ev'rybody says it's just like rock'n'roll(皆いうんだ、まるでロックンロールみたいだって)

第132話  21世紀少年(前編)

都内の下町にある古びた木造の一軒家。
「ごちそうさま」、メガネをかけた中学生の男の子は手を合わせた。
「お代わりはいいのかい」、祖母がいう。
「もう、お腹いっぱいだよ、おばあちゃん」、男の子がおどけていう。

「明日は何が食べたい」、祖母が聞く。
「おばあちゃんの手料理」、男の子はそういうと、2階の自室へ駆け上がった。
男の子は祖母と2人暮らしだった。
孫が食べ終わった食器を片付けながら、祖母はあの日のことを思い出していた。

まだ主人が生きていた頃、ある雨の夜に玄関のインターホンが鳴った。
「誰だ、こんな時間に、お前が出て来い」、今は亡き夫がテレビを観ながらいう。
「はいはい、どちらさんですか」、わたしは玄関で返事を待っていた。
しばらくして声が聞こえた。

「お、おばあちゃん、あ、開けて」、聞き覚えのある孫の声がした。
慌てて、玄関の引き戸を開けると、近くに住む娘夫婦の1人息子がいた。
小学生の孫は、傘もなく薄着のまま、雨に打たれて震えていた。
顔には殴られたのか、痣があった。

わたしは自宅の玄関に孫を引き入れた。
「待ってて、タオルを持ってくるから」、孫はうなだれたまま、何もいわなかった。
濡れた体を拭いて、居間に連れて行くと、今は亡き主人がいった。
「何があったんだ、またあの男に暴力を振るわれたのか」

あなた、わかっていたでしょう、夫の遺影を見ながら祖母は思った。
娘が最初の結婚相手と別れて、再婚した相手。
定職に就かず、チャラチャラした敬語の使えない人。
どう見ても、まともな人じゃなかった。

娘が再婚相手を連れてきたとき、あなたはいったわよね、
「俺の娘を幸せにしなかったら、タダじゃおかないからな」
あのとき、この子がどんな顔をしていたか。
覚えていないでしょうね、あなたは孫を大事にしろとはいわなかった。

あの子は、わたしのかわいい孫です。
たとえ親であろうが、孫を傷つける者を決して許しません。
あの子だけが、わたしの生きがい。
わたしは生きている限り、あの子を守り続けます。

2016年9月16日金曜日

運用中の娘の資産はいくらか

自身には大学2年生の娘がいる。
現在、自身が運用している娘の資産を書いてみる。
・現金 25万円(親戚からの成人祝い金)
・株 3,500株(8306 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ)

株を資産として考える場合、定価であるBPSで考えなくてはならない。
なぜなら、株価は日々、変動するからである。
現在の8306のBPSは、1株当たり約1,100円である。
よって、3,500株×1,100円=385万円となるw

現金との合計額は、400万円オーバーである。
こうやって書いてみると、大学生にしては大層な資産である。
もちろん、娘がすごいのではない。
運用している自身がすごいのであるw

銘柄を明かさない理由R131 仮面の男(後編)

第131話 仮面の男(後編)

黙っている男に、コートを着た巨躯の男がいった。
「世界一の舞台俳優になる理由がわからないのか。
わからないのなら教えてやる。
世界一の舞台俳優は、金を手に入れるための手段であって目的ではない。

この世の中、全ての価値観を決めるのは金だ。
もし金を手に入れたいのなら、ここに来い」
コートを着た巨躯の男は、手帳にホテルの会場と日時を走り書きした。
走り書きしたページを破ると、横たわった男に渡した。

立ち去ろうとする巨躯の男に、横たわった男がいった。
「見捨てるのか、こちらは怪我人なんだぞ」
巨躯の男は立ち去りながらいった。
「甘えるな、助けが欲しいなら自分で助けを呼びにいけ」

何だ、あの男は、しかし身体が動かない。
このまま、朝までここに転がっているのか。
遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。
救急車、こっちに来ねえかな、男の意識はそこで途切れた。

男が気づいたのは、病院のベッドの上だった。
「ここはどこだ」、男が聞く。
「あなたが運ばれてきた病院ですよ。
昨夜はあなたのおかげで大変だったんですよ」、ショートヘアの若い看護婦がいう。

あの救急車で、俺は運ばれたのか。
誰かが救急車を呼んでくれたのか。
いったい、誰が呼んでくれたのだろう。
ふと、ベッドサイドのテーブルを見ると、真っ白な封筒が眼にとまった。

「その封筒は」、男が看護婦に問う。
若い看護婦は真っ白な封筒を手に取り、中を改めた。
「昨夜、付き添いで来られた男の人が置いていかれた封筒ですよ。
カードが1枚だけ入っています、これって王様のカードかしら」

退院した男は、巨躯の男が指定したホテルでの研究会に出席した。
研究会に参加した男は思った、こんなに簡単に金を稼ぐことができるのか。
今や男の本業は相場師で、仮面の相場師と呼ばれていた。
久々のキングからの指令だ、思う存分、暴れてやる、男は凄みのある笑みを浮べた。

2016年9月15日木曜日

銘柄を明かさない理由R130 仮面の男(前編)

第130話 仮面の男(前編)

劇場の舞台で神の仮面をつけた男は、クライマックスのシーンを演じていた。
「愚かなる人間どもよ、神々の怒りを思い知るがいい。
泣き、喚き、叫ぶがよい、だが滅びの運命は誰にも止めることはできない」
観客は男の鬼気迫る演技を、固唾をのんで見守っていた。

「我らは常に警鐘を鳴らしてきた。
だが思い上がった人間どもは、己らの欲望のままに生きた。
この世界はいったん無にする、そして新世界を創造するのだ」
舞台は真っ暗になり閉幕したが、観客の拍手は鳴り止まなかった。

「お疲れ様でした」、舞台の袖で若い女性劇団員がタオルを差し出す。
「ありがとう」、男は仮面を外し、タオルで汗を拭った。
「ホント、先輩の演技には引き込まれます」、若い女性劇団員がいう。
「ありがとう」、男はタオルを若い女性劇団員に返すと楽屋へ向かった。

楽屋へ入ると、テーブルの上には高価そうな花束と真っ白な封筒が置いてあった。
男が封筒を開けると、トランプのキングのカードとある指令が入っていた。
顎鬚をたくわえた威厳のあるキングのカード。
舞台俳優の男は、贈り主である巨躯の男との出会いを思い出した。

数年前のある日、男は路地裏に横たわり、雨に打たれていた。
数時間前、飲み屋で若手の舞台俳優たち数人と演劇論を戦わせていた。
若手の舞台俳優に、時代遅れの演劇論だといわれた。
頭にきて先に1人で飲み屋を出た、誰かと肩がぶつかったところまでは覚えている。

気がつけば、路地裏に横たわって、雨に打たれていた。
身体の節々が痛むし、殴られたのか片方の眼は塞がっている。
たぶん、肩がぶつかった相手に殴られたのだろう。
地面に横たわって見上げる世界は、今まで見たことがない世界だと男は思った。

気づくと、コートを着た巨躯の男が傍に立っていた。
「夢は何だ」、コートの巨躯の男が見下ろしながら聞く。
「日本一、いや世界一の舞台俳優になりたい」、横たわった男が答える。
「なぜ、世界一の舞台俳優になりたい」、コートの巨躯の男が聞く。

なぜ、世界一の舞台俳優になりたいのかだと。
そんなこと決まっている、あれ、何でだ。
俺は何のために世界一の舞台俳優になろうとしていたんだ。
目的が思い出せない、そもそも目的があったのかさえもわからない。

だから相場は面白い

日々の株価は、その日に取引される価格にすぎない。
本来の企業価値を表すものが、1株あたりの純資産(BPS)である。
BPSの計算式は、純資産÷発行済み株式数。
つまり発行されている株の本来の時価(定価)なのであるw

相場とは不思議なもので、BPSより低い価格で売り買いされることが多々ある。
例えば、子どもファンドのメイン株である8306 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ。
BPSは1,000円以上なのに、株価は500円以下である。
すなわち、定価の半値以下で、売り買いされているのであるw

株は金融資産で、売れば現金に換えることができる。
言い換えれば、1,000円札が500円で売り買いされているのと同じである。
現実ではあり得ないことが起こるから、相場は面白い。
もし年初来安値になることがあれば、買い増ししてやろうと考えているw

2016年9月14日水曜日

心が貧しい人の話

自身は悪玉コレステロールの値が高く、治療中である。
2ヶ月おきに病院へ行き、薬を処方してもらっている。
自身の信頼する医師は、半年毎に血液検査を行い、チェックしてくれている。
医師の治療を受けてから、悪玉コレステロールの値は正常値内に収まっているw

先日、病院へ行くと、お客様の声が掲示してあった。
ある人がセカンドオピニオンとするべく、病院を訪れた。
上から目線で、ある検査を勧められたことが不満で断ったという話だった。
担当した医師の回答は、自身が読んでも冷静な常識的な回答だったw

医師が上から目線なのは、当たり前である。
おそらくだが、検査を受ける金が惜しいと思ったのだろう。
自身なら、検査を勧めてくれる医師は信頼度が増す。
なぜなら、自身が持っていない知見を持っているからであるw

金を惜しみ、医師の勧める検査を拒否する。
何のために別の病院へ来たのか。
検査を受けていれば、重大な疾患が見つかったかもしれない。
懐が貧しい人は、心も貧しいのかもしれないw

銘柄を明かさない理由R129 ジョーカーとエース

第129話 ジョーカーとエース

年齢不詳の男と天使の笑顔をもつ男は、次の駅に着くと電車を降りた。
「ついてこい」、年齢不詳の男はそういうと改札の外へ出た。
年齢不詳の男は地上へ出ると、路地にある古びた立飲みの店に入った。
まだ早い時間にも関わらず、店には多くの客がいた。

「とりあえず、生でいいか」、年齢不詳の男が聞く。
天使の笑顔をもつ男がうなずくと、年齢不詳の男は生ビールとつまみを何品か注文した。
生ビールとつまみが運ばれてくると、2人は軽くジョッキを合わせ、飲み始めた。
「なぜ、尾行した」、年齢不詳の男がいう。

「あなたが意図的に情報をリークしてくれたからです」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「あのホステスの女が、そういったのか」、年齢不詳の男がいう。
「そうです、意図的としか考えられないと、なぜ情報をリークしてくれたのですか」
天使の笑顔をもつ男が聞く。

「もし聞けば、君は生涯、監視対象となる、それでも聞きたいか」
年齢不詳の男は、つまみをつつきながらいった。
「それって脅しですか、脅しは通用しませんよ」、天使の笑顔をもつ男がいう。
年齢不詳の男は、2杯目の生ビールを注文した。

そして、天使の笑顔をもつ男のことを話し始めた。
天使の笑顔をもつ男のフルネームと生年月日。
大学入学後、実家が全焼し、家族を全て亡くしたこと。
家族との思い出の品を、貸金庫に預けていること。

今は大学を中退し、大物相場師の家に住んでいること。
在学中から付き合っている交際相手がいること。
だが最近になって、銀座の高級クラブのホステスともいい仲になっていること。
最後に、現在の保有資産を正確に言い当てた。

天使の笑顔をもつ男は、驚きのあまり、何もいえなかった。
「大物相場師が監視対象になると、自動的に周囲の人物も監視対象となる。
わるいことはいわない、これ以上、深入りするな」
運ばれてきた2杯目の生ビールを飲みながら、年齢不詳の男はいった。

「わかりました、1つだけ教えてもらえませんか。
あなたは我々の味方ですか、敵ですか」、天使の笑顔をもつ男が聞く。
「味方でも敵でもない、はるかに高度な目的のために動いている」
年齢不詳の男はいい、2杯目のジョッキを飲み干した。

2016年9月13日火曜日

銘柄を明かさない理由R128 追跡(後編)

第128話 追跡(後編)

年齢不詳の男は、エレベーターホールを出た。
周囲に素早く目をやると、カフェに見覚えのある女がいた。
あの女はクラブホステスの女、なぜ、ここにいる。
目的は俺だな、年齢不詳の男は気づかないフリをして通り過ぎた。

オフィスビルのガラスに、クラブホステスの女が立ち上がる様子が映っていた。
あのカフェは前払い制だ、すぐに店を出て後をつけてくるだろう。
オフィスビルを出た年齢不詳の男は、特に急ぐこともなく歩き続けた。
地下鉄の駅へ降りる手前で、年齢不詳の男はスマホを取り出した。

スマホの表面には、角度によって鏡になる特殊フィルムがコーティングされている。
さりげなく背後を映すと、後をつけてくるクラブホステスの女がいた。
所詮、素人の尾行、年齢不詳の男は地下鉄への階段を降りはじめた。
地下鉄の改札を抜け、年齢不詳の男はホームに入った。

年齢不詳の男はスマホを取り出すと、背後の改札の様子を映した。
クラブホステスの女が、改札にICカードをタッチしようとしていた。
今だ、年齢不詳の男はスマホの特殊アプリの送信をタッチした。
クラブホステスの女がICカードをタッチした瞬間、エラー音が鳴った。

他の改札も全てエラー音が鳴り、乗客は改札の前で立ち往生している。
慌てた駅員が、自動改札機の点検を始めた。
電車がホームへ滑り込んできた。
発車する頃にはホームへ入れるよ、年齢不詳の男は開いたドアから電車に乗り込んだ。

発車のアナウンスが流れ、電車が動き出した。
改札もようやく人が通れるようになった。
クラブホステスの女が呆然とした顔で、こちらを見ている。
素人がプロを尾行するのは100年早い、年齢不詳の男は思った。

年齢不詳の男の耳元で、若い男がささやいた。
「自動改札を動かなくするとは、変わったスマホをお持ちですね。
お伺いしたいことがあるので、次の駅で降りていただけますか」
目の前の車窓を見ると、背後に寄り添うように立つ若い男と目が合った。

あのクラブホステスの女は、トラップだったのか。
クラブホステスの行動に目を向けさせ、俺の行動を別の場所から見ていたのか。
「返事がないということは、降りていただけるんですよね」
車窓に映る若い男はささやくと、天使のような笑みを浮べた。

2016年9月12日月曜日

銘柄を明かさない理由R127 追跡(前編)

第127話 追跡(前編)

都内にある立派な邸宅。
居間には3人の男がいた。
邸宅の主である巨躯の男、巨躯の男に仕える男性秘書。
そして、巨躯の男の後継者と目される天使の笑顔をもつ男だった。

天使の笑顔をもつ男からの報告を聞いた巨躯の男がいった。
「大手外資系証券会社が、相場を作っているのか」
「相場を作っているのは、間違いないと思われます。
株式評論家の推奨する株を買い、株価を操作しています」、天使の笑顔をもつ男が答える。

「ふざけた真似をすると、どういうことになるか思い知らせてやる。
ワシの持てる力、全てを使って叩き潰してやる。
関係各所に指示を出せ、完膚なきまでに叩き潰せ、手段は問わんとな」、巨躯の男がいう。
「かしこまりました」、男性秘書は居間を後にした。

「あることを調べたいので、しばらく留守にします」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「どういうことだ」、巨躯の男がたずねる。
「今回、協力してもらった女性から、ある男のことを聞きました。
その男が我々の味方なのか敵なのか、確かめたく思います」、天使の笑顔をもつ男がいう。

「その男は、どこのどいつだ」、巨躯の男がたずねる。
「その男が何者なのかはわかりません。
しかし正体を突き止める価値はありかと思います」、天使の笑顔をもつ男は答えた。
「わかった、その件は任せる」、巨躯の男はいった。

数日後の夕刻、ウィッグの女はあるオフィスビルのカフェにいた。
モデルのようなウィッグの女は、周囲の視線を集めていた。
そのオフィスビルには吹き抜けのアトリウムがあり、世界最高水準のオフィスビルだった。
意識が朦朧とした株式評論家が、読者がいるといったオフィスビル。

今回の黒幕、大手外資系証券会社が入居するオフィスビル。
わたしの推測が正しければ、あの男はこのオフィスビルにいる、ウィッグの女は思った。
そのときエレベーターホールから、年齢不詳の男が現れた。
年齢不詳の男は、ウィッグの女に気づくことなくカフェの横を通り過ぎた。

ウィッグの女は、スーツの襟に仕込んだマイクに話しかけた。
「店に株式評論家を連れてきた男が来たわ、今から追うわ」
ウィッグの女は席を立つと、年齢不詳の男の追跡を開始した。
「ムリはするなよ」、イヤホンから天使の笑顔をもつ男の声が聞こえた。

2016年9月11日日曜日

娘の彼氏についての考察

娘の今の彼氏は、同じ大学の同級生らしい。
娘によると、文系の学部で身長は180センチあるらしい。
実家は関東の某県で、現在は都内で1人暮らしらしい。
自身は娘が選んだ相手に反対したことはないし、これからもするつもりはないw

だが、思うことがあるので書いて見る。
娘は医療系の学部に在籍している。
もし自身が娘の立場であれば、同じ学部で相手を探す。
何のために、医療系の学部に入ったのだという話であるw

身長が高くて儲かるのは、プロのバスケットボール選手くらいである。
先日、彼氏の呼び名を決めた。
彼氏の実家のある県は納豆が有名なので、縮めて「ナットくん」にした。
ちなみに、自身は生まれてから一度も納豆を食したことはないw

2016年9月10日土曜日

現在の年初来パフォーマンス

ふと気になったので、年初来パフォーマンスを計算してみた。
2016年1月5日の日経平均株価は18,374円、9月9日は17,081.98円。
日経平均株価の年初来パフォーマンスは、93%となっている。
ちなみに1月4日にしなかったのは、自身のデータが1月5日しかなかったからであるw

2016年1月5日の株式評価額は14,814,400円、9月9日は15,862,400円。
自身の年初来パフォーマンスは、107%だった。
株式評価額だけで、配当は入っていない。
配当を加算すると、パフォーマンスは更に向上するw

今年になって行なった2度の買い増しが、効を奏したようである。
もし買い増しを行なっていなければ、日経平均株価と同程度のパフォーマンスだったろう。
わらしべ長者みたいに売買を繰り返しても、資産はなかなか増えない。
株式投資で資産を増やすには、適切な時期の追加投資が有効であることがわかるw

2016年9月9日金曜日

銘柄を明かさない理由R126 ジョーカーの正体

第126話  ジョーカーの正体

第二次世界大戦で、この国は敗戦国になったといわれている。
だが、一部の男たちにとっては勝利だった。
開戦前の彼らはある危機感を持っていた。
欧米列強による東南アジアとこの国の植民地化だった。

このままでは、この国は欧米列強に包囲され、やがて植民地となる。
彼らの出した結論は、植民地となっている東南アジア各国の独立だった。
最終的にこの国は敗れる、だが包囲網を崩すことはできる。
彼らはこの国のために、欧米列強に自由の戦いを挑んだ。

敗戦国にはなったが、彼らの当初の目標は達成された。
東南アジア各国は独立、包囲網はなくなった。
次は経済発展による国力の増強だ、彼らはある組織を作ることにした。
戦後の高度成長は、その組織によるものだったといっても過言ではない。

彼らは、有望な人材に目をつけると、次々と組織の一員とした。
国内における組織のネットワークは完璧だった。
ありとあらゆる官公庁や大手企業に、彼らの組織の人間がいた。
この国に進出してくる外資系企業も例外ではなかった。

大手の外資系証券会社に勤める年齢不詳の男も組織の一員だった。
男は大手外資系証券会社に新卒で入社した。
男がその組織の一員になったのは、入社数年後のことだった。
組織は数年間、男の行動を観察した上で採用を決定したのである。

大手外資系証券会社の動向を報告することが、男の主要なミッションだった。
ある日、男は大手外資系証券会社が相場を作ろうとしていると報告した。
数日後、男にあるミッションが与えられた。
「国内の相場師に情報をリークしろ、ただし決して正体は悟られるな」

ストレートに情報をリークしても、人は信用しない。
あえて不自然な点を気づかせることによって、人は情報を信用する。
男は会社から、ある大物相場師にGPIF職員を装い、コンタクトを取るよう命じられた。
男が用意したのは、GPIFの職員名簿にない氏名の名刺だった。

組織は国内のあらゆる通話記録を入手することができる。
男は、大物相場師の家にいる若い男がクラブホステスへ真相究明を依頼したのを知った。
あとはクラブホステスの店で、情報をリークするだけでよかった。
ミッション完了、誰もいない部屋で、年齢不詳の男は不敵な笑みを浮べた。

保有株公開のお知らせ

本投稿へのアクセスならびに拍手ありがとうございました。
保有する仕手株のヒント公開終了しました。

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「動意づく」とは、株価が動き始めることをいう。
自身が保有する仕手株の1銘柄が、動意づいた。
昨年夏の株価と比べ、2分の1の株価になった株である。
英国のEU離脱ショックの際に、無限ナンピンで買い増しした株であるw

以前の投稿で保有する仕手株が騰がり始めたら、銘柄を明かすとお伝えした。
お約束どおり、近日中に銘柄を公開させていただきたいと考えている。
だが仕手株は危険なので、期間限定にする。
また銘柄名ではなく、株式投資経験者なら誰でもわかるヒントにする予定だw

公開条件は、本投稿PV数もしくは本投稿への拍手が一定数を超えたときだ。
一定数を超えなければ、もちろん非公開である。
我こそはと思う方、興味本位で知りたい方は、是非、何度も本投稿にアクセスされたし。
もちろん、投資は自己責任であるw





2016年9月7日水曜日

銘柄を明かさない理由R125 ジョーカー・ゲーム

第125話  ジョーカー・ゲーム

都内にある高級マンション。
天使の笑顔をもつ男を見送ったウィッグの女は1人くつろいでいた。
結局、GPIFを名乗った男はGPIFではなかった。
GPIFではなく、大手の外資系証券会社だった。

天使の笑顔をもつ男から依頼のあった数週間後のこと。
女は偶然にも、隣のテーブルの客の話を聞いた。
「あの株式評論家の勧めた株が騰がるのには理由があるらしい。
噂では、大手の外資系証券会社が買っているらしい」

なぜ外資系がと聞く連れに、男は答えていた。
「GPIFが保有株の公開を決めただろう。
いくら大手の彼らでも、世界最大の機関投資家であるGPIFには敵わない。
よって、自分たちで相場を作ることにしたという噂だ」

数日後、偶然にも株式評論家の男が店にやって来た。
連れの男が席を外した隙に、女は自白効果のあるカクテルを作った。
株式評論家の男は、あるオフィスの所在地をいい、意識を失った。
調べると、その所在地には大手の外資系証券会社のオフィスがあった。

今回は運がよかったわ、女はワイングラス片手に思った。
ふと女は思った。
何かおかしい、あまりにも偶然が続いた。
まさか、そんなことはあり得ない。

もし、隣のテーブルの客の話が偶然でなかったとしたら。
もし、株式評論家の男が店にやって来たのが偶然でなかったとしたら。
隣のテーブルで話していた客は、どんな男だった。
思い出せない、どこにでもいる会社員だったような気がする。

株式評論家の男を連れてきた男。
特徴のない年齢不詳の男だった。
あとで確認すると、男は常連客ではなかったらしい。
高額で予約してきたので、入店間もないボーイはすっかり店の常連だと思ったらしい。

まさか、隣のテーブルの客と、株式評論家の男を連れてきた男は同じ男。
もし、そうだとすると、変幻自在のジョーカーの男。
考えるのよ、いったい、何が起きているのかを。
静かな夜のなか、頭脳明晰なウィッグの女の思考はフル回転を始めた。

2016年9月6日火曜日

銘柄を明かさない理由R124 成功報酬

第124話 成功報酬

「先生、起きてください、着きましたよ」、声が聞こえる。
「ここは」、嗤う男が目をこすりながらいう。
「ご自宅のマンションの前ですよ」、年齢不詳の男がいう。
どうやらタクシーの中で眠ってしまったらしい、嗤う男は思った。

「すまない、寝てしまったようだね、今夜は楽しかったよ、ありがとう」
嗤う男はいい、開いていた後部座席のドアから降りた。
「こちらこそ遅くまですいませんでした、おやすみなさい」
年齢不詳の男がいい、タクシーは走り去った。

嗤う男は、タワーマンションの自宅へ戻った。
朦朧とする意識の中、着ていた服を脱ぎ捨てバスルームへ向かった。
壁に寄りかかりながら、嗤う男は冷水のシャワーを浴びた。
冷水のシャワーを浴びていると、少しずつ思い出してきた。

あのウィッグの女、何を飲ませた。
銀座の高級クラブなので、油断してしまった。
誰の仕業か知らんが、このままですむと思うなよ。
嗤う男は、冷たいシャワーを浴び続けた。

翌日、天使の笑顔をもつ男のスマホが着信を知らせた。
スマホの画面を確認した天使の笑顔をもつ男は、応答画面をタッチした。
天使の笑顔をもつ男がいう、「待っていたよ、連絡」
「待っていてくれて嬉しいわ、お待たせしたわね」、ウィッグの女が答える。

「なかなか面白い案件だったわ」、ウィッグの女がいう。
「どう面白い案件だったのか、教えてもらえるかな」、天使の笑顔をもつ男がいう。
「条件をお忘れかしら、1週間、私と過ごしたあとに教えるわ」、ウィッグの女がいう。
「わかった、今からいく、自宅を教えろ」、天使の笑顔をもつ男がいう。

「えっ、今から、明日の予定もあるし」、ウィッグの女がいう。
「期日指定の条件は聞いていない、今からがムリなら話はなかったことにする」
天使の笑顔をもつ男はきっぱりといった。
「わかった、わかったわよ」、ウィッグの女は自宅の住所を伝えた。

1週間後、都内にある高級マンションのベッドルーム。
「また会いに来てくれる」、ウィッグを外した女が男の胸から顔を上げずにいう。
天使の笑顔をもつ男は黙ったまま、天井を見ていた。
「いいわ、私が会いにいくから」、ウィッグを外した女は顔を上げずにいった。

2016年9月5日月曜日

銘柄を明かさない理由R123 魔窟

第123話 魔窟

今や、カリスマ相場師となった嗤う男はタクシーに乗っていた。
横には、世話役の年齢不詳の男がいる。
「先生、もうすぐ着きますから」、年齢不詳の男がいう。
「銀座の高級クラブなんて何年振りだろう、すまないね」、嗤う男がいう。

「先生あっての我々です、今夜は気持ちよく接待させてください。
運転手さん、次の角を右に曲がったところで降ろしてもらえるかな」、年齢不詳の男がいう。
「かしこまりました」、運転手が答える。
やがてタクシーが停まり、ネオンが煌く夜の銀座に嗤う男と年齢不詳の男が降り立った。

店に入ると、黒服のボーイが出迎えた。
「いらしゃいませ、いつもご贔屓にしていただき、ありがとうございます」
「今日は大事なお客様をお連れした、よろしく頼むよ」、年齢不詳の男がいう。
「存じ上げております、どうぞ、こちらへ」、ボーイは2人を奥へと案内した。

席に着いた2人のテーブルに、2人の女がやってきた。
「いらっしゃいませ」、女たちは嗤う男に名刺を渡して自己紹介した。
「お隣に座らせていただいて、よろしいかしら」、ウィッグの女が笑顔でたずねる。
「どうぞどうぞ」、嗤う男がにやけた笑顔で答える。

嗤う男はウィッグの女との会話を楽しんでいた。
気づくと、世話役の年齢不詳の男ともう1人の女の姿がなかった。
「あれ、2人はどこへ行ったのかな」、したたかに酔った嗤う男がたずねる。
「聞くだけ野暮よ、先生」、ウィッグの女は嗤う男にグラスを手渡しウインクした。

「なるほど、そういうことか」、嗤う男は納得した。
「なぜ先生は騰がる株がわかるの、超能力でも持ってらっしゃるの」、ウィッグの女が聞く。
「ははは、超能力なんかじゃないよ、今までの経験でわかるようになったんだよ。
企業の業績とかチャートを詳しく見ることで、わかるようになるんだよ」、嗤う男がいう。

気づくと、明るかったはずの店内は闇に包まれていた。
闇の中から、ウィッグの女の声が聞こえてきた。
「誰が先生の勧めた株を買っているの」
「だ、誰って、読者、たち、だよ」、嗤う男は朦朧とする意識の中、答えた。

「読者はどこにいるの」、ウィッグの女の声が聞こえてきた。
「ど、読者、は、え、円卓の、部屋」、嗤う男は何とか答えた。
「円卓の部屋は、どこにあるの」、ウィッグの女の声が聞こえてきた。
嗤う男は、あるオフィスビルの所在地を告げると意識を失った。

現在の株式評価額20160905~過去最強のポートフォリオ~

株式(特定預り)合計
・評価額合計:15,974,800円
・評価損益合計:1,895,200円
・保有銘柄数:5

今日1日で、20万円を超える増加である。
考えてみれば、これだけ割安で株を仕込んだのは初めてである。
そういう意味では、過去、最強のポートフォリオかもしれない。
どこまで評価額が増えるのか楽しみであるw

2016年9月4日日曜日

今年の仕込みは終了

相場というものは、上昇、下落、停滞と波があるから面白い。
上昇ばかりしていると、得られるリターンは限られている。
下落もしくは停滞時に、どれだけ多くの株を仕込めるかにリターンがかかっている。
自身は今年になってから、2万株超の株を底値で仕込ませていただいたw

国内相場は、これから年末へ向けて上昇する。
上昇は急激にではなく、緩やかな2006年のような上昇である。
えっ、なぜ、わかるのかって、自身には相場が見えるからである。
上昇する理由は、今年4月14日投稿の「これからの相場の話をしようか」の通りであるw

自身は買いの相場師なので、上昇中はすることがない。
元本引上げまで、地道に資金を貯めるだけである。
えっ、いつ、元本引き上げるのかって、高値となる2017年の初夏までには引き上げる予定だ。
くれぐれも投資は自己責任でお願いするw

夏を制する者だけが

7月の始め、そろそろクーラーをつけようとした。
娘にクーラーの調子がよくないから、つけるなといわれた。
気がつけば9月、気づけば今年の夏は1度もクーラーを使わなかった。
今年の夏は酷暑だったらしいが、自身はそんなに暑いと感じなかったw

おそらく身体が本来、持っている体温調節機能を取り戻したのだと思う。
炎天下、出歩いても、少ししか汗をかかなかった。
寝汗はかくが、毎朝の目覚めは快調だった。
室温30度の部屋で、一味をふりかけたカレースパゲッティを食したりしていたw

ちなみに毎週土曜は、近所のプールで泳いでいた。
水泳経験者はご存知だろうが、泳いだ翌日も筋肉は引き締まって熱を持っている。
自身は夏を制することにより、汗をかきにくいメリハリのある身体を手に入れた。
今の自身は脱いだらスゴイのかもしれないw

2016年9月3日土曜日

モテキの娘に思うこと

自身には大学生の娘がいる。
我が家には門限はない。
先日、娘が無断外泊した。
門限がないとはいえ、無断外泊はさすがに心配であるw

後でどこに泊まったのか聞くと、同じ大学の彼氏の家とのことだった。
変わっているのかもしれないが、彼氏の家だったことに安心した。
彼氏であれば付き合っている間は、娘に何かあれば守ってくれるからである。
もし守れないような彼氏であれば、娘に男を見る目がないだけのことであるw

娘にいっておいた、交際には反対しないし、むしろ彼氏がいて安心した。
2人で旅行に行きたければ、事前に行ってくれれば行っても構わないと。
娘にいわれた、もし旅行に行ったら、その間、遊び回るつもりだろうと。
さすが自身の娘である、当たり前だと答えておいたw

投資手法も逆張りで

「逆張り」とは、株価が下落しているときに買うことをいう。
これと反対の言葉が「順張り」で、株価が騰がっているときに買うことである。
よくいわれているように「順張り」より、「逆張り」の方が成果を出しやすい。
株を買う以外の投資手法にも「逆張り」があるw

投資手法の逆張りとは、よいとされている投資手法と真逆の手法である。
例えば、多くの銘柄への分散投資ではなく、少ない銘柄への集中投資。
全て売って利益を確定させるのではなく、元本分だけ売って利益を確定させない。
暴落時に買えるよう資金を残すのではなく、持てる資金全てで株を買うw

分散投資はリスクを分散させるというが、分散させると単にリスクが増えるだけである。
全て売って利益を確定すると、より大きな利益を得る機会を失う。
暴落時に備えて資金を残すことも同じで、本来なら得られた利益を逃すことになる。
暴落がきたら、株の譲渡益や配当から資金を出せばよいだけの話であるw

2016年9月2日金曜日

現在の株式評価額20160902~賽は投げられた~

株式(特定預り)合計
・評価額合計:15,762,400円
・評価損益合計:1,682,800円
・保有銘柄数:5

1日単位だと微増だが、週単位では結構な増加である。
メガバンク3銘柄の評価額は1000万円を超えた。
しかも、全銘柄PBR1倍にはるかに満たない割安状態だ。
自身にとって、賽は投げられたのであるw

子供ファンド運用報告20160902~含み益増加中~

子供ファンドの運用を担当しているYです。
子供ファンドの評価損益が増加したので報告いたします。
9月末の配当権利落ちはまだ先ですが、評価損益が増えました。
アメリカの利上げ期待による円安の中、株価が下がる要因は見当たりませんw

2016年9月1日木曜日

現在の株式評価額20160901~本格始動かも~

株式(特定預り)合計
・評価額合計:15,727,000円
・評価損益合計:1,647,400円
・保有銘柄数:5

本ブログは株ブログなのに、なぜか貯蓄関連記事のPV数が多い。
貯蓄も大事だが、資産運用の方が大事である。
本日も評価損益額が増えていた。
Yの株日記、いよいよ本格始動かもしれないw

子供ファンド運用報告20160901~祝!含み益奪還!~

子供ファンドの運用を担当しているYです。
子供ファンドの評価損益が増加したので報告いたします。
9月末の配当権利落ちはまだ先ですが、評価損益がプラスとなりました。
やはり、年初来安値になった際の買い増し効果があったようですw