2016年11月5日土曜日

【ショートショート】世紀末の救世主

20××年、世界に法の秩序は存在していなかった。
暴言を吐く男がアメリカの大統領になったことが、きっかけだった。
暴言を吐く男は大統領になると、諸外国を敵に回した。
やがて起こった核戦争により世界は荒廃、法の秩序は失われた。

日本も例外ではなく、法の秩序は失われていた。
「あっ、筋肉じじいが来た」、「ばあさんを隠せ」
今や日本は筋肉じじいたちの支配下にあった。
軽トラやスーパーカブに乗った筋肉じじいの集団は、村々から高齢女性をさらっていた。

ある冬の寒い日、村に1人の男が現れた。
男は村人から話を聞くと、1人で筋肉じじいたちの本拠地へ向かった。
本拠地に着いた男は、猛獣用の麻酔銃を片手に正門から突入した。
筋肉じじいは動きが遅い、接近戦にしなければ勝てる、男には確信があった。

向かってくる筋肉じじいたちを男は麻酔銃で撃ちまくった。
「すしっ!」、「さしみっ!」、「てんぷらっ!」
食べたい食事の名を叫びながら、次々と倒れていく筋肉じじいたち。
男は足早に筋肉じじいたちのボスの部屋に向かった。

男はボスの部屋にたどり着いた。
トイレのドアを開けると、ボスは倒れて息をしていなかった。
「ヒートショックか、お前はもう死んでいる」、男はつぶやいた。
「YouはShock♪」、男の耳に昔、見たアニメの曲が聴こえてきたw